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【インタビュー】水樹奈々 新曲「Turn the World」配信中!「思春期独特のもどかしい心情を歌詞に込めました」

アニメ 2024.01.10

先日スタートしたTVアニメ「SHAMAN KING FLOWERS」のオープニングテーマ「Turn the World」をデジタルリリースした水樹奈々さんを直撃。新曲について、たっぷりと語ってもらった。

 

――「Turn the World」の楽曲制作の流れについて、お聞かせください。

 TVアニメ「SHAMAN KING FLOWERS」という「SHAMAN KING」の続編で、新世代のシャーマンたちの物語が描かれる作品ということで、「ぜひ水樹さんに主題歌を」と制作チームの方からお声掛けいただきました。元々「SHAMAN KING」で演じていた“玉村たまお”が大人になって登場するのですが、その続投が決まっただけでも嬉しかったのに、さらに主題歌まで担当させていただけるなんて本当に幸せでした。アニメのスタッフさんからは、「前作のようなロックテイストの曲でいきたい。それ以外は水樹さんチームにおまかせします」と言っていただいて。「世界観はしっかり把握してくださっていると思うので、自由な発想で作ってください」とお任せいただけました。

 楽曲はコンペで、作曲家の皆さんに原作を読んでいただいた上でロックテイストな楽曲を作っていただきました。主人公・麻倉 花は、思春期真っただ中の素直になれない男の子。シャーマンの力を使うことを制限されフラストレーションを抱えた状態から物語がスタートします。思春期独特のもどかしさや、目の前で起こることに一喜一憂して翻弄されてしまう姿、そういった状態を表現できる楽曲にしたいと思いました。沢山のデモテープをいただき、その中から、この曲を選ばせていただきました。

 

――楽曲を聞いた印象は?

 もう一聞惚れでした!表情がどんどん変わっていくメロディラインが、まさに、大きな流れに振り回されてもがいている主人公の心情描写と、ものすごくシンクロするなと。その畳みかける構成が、ようやく自分の足で人生を歩み始める主人公の気持ちとリンクするような気がして。曲を最初に聞いた瞬間から、ぐっと心をわしづかみにされて、チーム満場一致で決定しました。

 

――歌詞はどのように作られましたか?

 思春期全開の歌詞にしたくて(笑)、青い歌詞を書いたらピカイチなヨシダタクミ(saji)さんに書いてもらいたいとお願いしました。方向性をディスカッションして、まずはヨシダさんに書いていただきました。そこから、「こんな要素を入れたい、こんな言葉にしたい」と私がブラッシュアップしていく形の共作で、完成まで約1ヶ月ぐらいかかりました。レコーディング当日も「ああでもない、こうでもない」と2人でいろんな言葉を出し合いながら、書き換えていました(笑)。

 

――そんな歌詞の中に、四文字熟語の禍福糾纆(かふくきゅうぼく)が出てくるのがすごく面白いですね。

 これは、ヨシダさんチョイスのワードです(笑)、10代の男の子が主人公ということで、基本的にはストレートな言葉で構成しているのですが、思春期って、急に大人ぶったりしたくなるものじゃないですか(笑)。難しいワードが出てくるところもあれば、投げやりな子供っぽいワードが出てきたり、そんな大人と子供の狭間で揺れているような絶妙なバランスの歌詞を目指しました。そして10代って、自分の将来を考えて壁にぶつかって悩んでしまったり、周りと比べてネガティヴになることも多い時期だと思うんです。そんな時に自分は自分らしく、マイペースに進んでいけばいいんだというメッセージを込めた応援歌としての一面もある曲になっています。

 

――歌詞とメロディが相まって、ドラマチックな楽曲です。いよいよアニメの放送も始まり、ワクワクしますね。

 ありがとうございます!「SHAMAN KING」のオープニングだった「Get up! Shout!」(21年リリース)は、直球なロックで作っていたので、それとは一味違う新世代をキーワードにして作りました。両親が偉大だからこそ、そこに歯向かう主人公の様子が多々描かれていて。根は真っ直ぐでいい子なのですが、父親に対する様々な感情が邪魔をして素直になれない…、曲からも周りだけでなく自分自身に振り回されている様子を感じていただけたらいいなと思っています。

 

――直前まで歌詞を検討されたと伺いましたが、レコーディングはどんなことを意識して歌われましたか?

 この曲は、ドラマチックで曲自体のエネルギーがすごいので、普通に歌ってしまうと流されてしまうんです。メロディをしっかり印象付けられるよう、Aメロ・Bメロ・サビそれぞれに世界観を色濃く出して歌っていくということを意識しました。でも、あまりにも個性が強くなってしまうと、それぞれが分離してしまうので、全体の流れも考えながら、それぞれガラッと場面が変わっていくような表現ができたらいいなと。何度も歌って「このアプローチは違うかも」とか、「ちょっとやり過ぎたかな」とか、バランスを探りながらレコーディングしました。

 

――先ほどもお話にあがりましたが「SHAMAN KING」では「Get up! Shout!」が第2弾オープニングでした。アニメのオープニングが公開された時、「林原めぐみさんから引き継がれている感じがすごくいい」と話題になっていました。

 そう言っていただけて、嬉しいです。主題歌の依頼を受けた時は「本当に私でいいんでしょうか」と震えました。「SHAMAN KING」シリーズの主題歌は名曲ぞろいなので、最初は恐縮してしまったのですが、そこに並んでも恥ずかしくないものを作らなくてはと、気合満点で時間をかけて制作しました。歴代主題歌が歌始まりだったので、そこはぜひ受け継ぎたいなと思ったポイントです。あとは、最後に「Over soul」というフレーズを入れたり。約20年の想いを込めてGet up! Shout!」を制作しました。

 

――23年は1月の「NANA MIZUKI LIVE HEROES 2023」(さいたまスーパーアリーナ)から始まり、7月からは「NANA MIZUKI LIVE PARADE 2023」のツアーがありました。水樹さんにとって、どんな1年でしたか?

 最高に幸せでした!!というのも、まずライブで皆さんの声が戻ってきたことが、本当に嬉しくて。私のライブは全員参加型で、コールはもちろん皆さんと一緒に歌うフレーズが沢山あるんです。約4年ぶりの大合唱は、本当に鳥肌が立ちました。コロナ禍にリリースした曲は、今までコールがない状態だったので、皆さんの声が入ることによってようやく完全体を聞くことができて…!これまでも皆さんがペンライトで思いを伝えてくださっていたのですが、やはり声の力はすごいなと改めて感じました。

 1月のライブ「LIVE HEROES」は、2日間でガラリと曲を入れ替える構成で、声優と歌手、私の2本柱を感じていただけるライブになりました。1日目は「魔法少女リリカルなのは」シリーズの楽曲を軸にした-LIGHTNING MODE-で、2日目は「戦姫絶唱シンフォギア」の曲を中心とした-BLADE MODE-。まるでベストライブのような気持ちで自分の活動を振り返ると同時に、こんなにも長く作品を愛していただけていることに改めて感激したステージでした。作品をフィーチャーしたライブは声優アーティストだからこそだと思っていますので、またぜひチャレンジしたいテーマでした。

 そして、個人的なことにはなりますが(笑)、甲子園球場で行われたプロ野球クライマックスシリーズ セ ファイナルステージの初戦で国歌独唱と勝利の六甲おろしを歌わせていただきました。阪神園芸さんが「マウンドの方までゼンゼン行っちゃってください」と言ってくださって、これはご褒美だなと思いました(笑)。阪神タイガースが日本一にも輝き、最高に幸せな1年でした。自身のレギュラーラジオでも、阪神の優勝をかけての罰ゲーム企画を行うほど、ずっと日本一の瞬間を心待ちにしていたので、素敵な年越しになりました(笑)。

 

――24年はどんな1年にしたいですか?

 24年も、また攻め攻めの1年にしていきたいと思います。来年2025年が歌手デビュー25周年イヤーになるため、そこに向けて盛り上がっていきたいなと!また皆さんに楽しんでいただけるライブ以外の企画も考えてみようと話しておりますので、ぜひこれからも、チャレンジし続ける水樹を見守っていただけたら嬉しいです!

――ファンの方へメッセージをお願いします。

 またトリッキーで激アツな、一癖も二癖もある曲が生まれました。ストレス発散にぴったりな曲ですので、ぜひカラオケでも熱唱していただきたいです(笑)。アニメの放送もスタートしましたので、ぜひ一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。生バンドで聴くと、さらにこのドラマチックな曲が味わい深くなると思いますので、初夏に決定したツアーにもぜひ遊びに来てください!

 

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