NHK大河ドラマ「どうする家康」に、乃木坂46の久保史緒里さんが出演中。演じているのは、幼い頃に徳川家康(松本潤)の嫡男・信康(細田佳央太)のもとに嫁いだ、織田信長(岡田准一)の娘・五徳。

発売中のTVstation13号に掲載中のスペシャルインタビューに続き、本日(６／25)放送された第24回「築山へ集え！」を経ての思いを語った。

 

 

■第24回で五徳が家康に信康への愛を宣言するシーンについて

 

嫁いだばかりの頃の五徳は織田信長の娘としてのプライドを強く持っていたと思うんですが、徳川家の皆さんと一緒に時間を過ごしていくうちに、信康様の妻であるというプライドも同じぐらい強く持つようになったんじゃないかと思います。とはいえ、織田方の人間として徳川家を見張ることになって揺らぎは大きいなかで、信康様との子供を身ごもって、自分にも家族ができることになった。いろんな思いはあれど、自分の家族を守りたいという気持ちが何より強くなって、ああいう言葉になったのかなと思います。

 

あのシーンを撮り終えた時、五徳は徳川家みたいな家族の形に本当は憧れを抱いていたんじゃないかなと思いました。家族というものに実はこだわりを持っていて、本当は寂しかったのかもしれない。カットがかかって改めて気付いたことですね。

 

撮影に入る前に、本作のプロデューサーさんから「(悪女説があるけれど)五徳はきっと優しい人だったと思うんです」とお話しいただいた時は、飲み込むのに時間がかかりました。家で台本を読んで考えるんですけど、優しさの形がなかなか定まらなくて。それが、現場に入って徳川家の皆さんとお話するなかで、五徳の優しさが浮き彫りになっていく感覚がありました。皆さんのお芝居に、自分一人ではたどり着けなかった感情を引き出してもらえるということが今回何度もあって、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

■第24回までの五徳をどう見せたかったか

 

視聴者の皆さんの目に、この人は何を考えているんだろう、あの築山殿事件に向かって五徳がどう動くのか読めないな、というふうに映ったらいいと思っていました。途中、 “五徳って怖い”という感想を持っていただいた方もいらしたようで、私にとってそのことは全く嫌じゃなくて、それどころか、光栄でうれしいことでした。

 

 

■五徳の気持ちはいつ、徳川方に傾いたのか

 

五徳がいつから徳川家のほうに気持ちが傾いていったのか、ドラマの中では明確には描かれませんが、現場でスタッフさんも含め、みんなで話していて。有村さんとも同じ意見だったのですが、おそらく第20回で瀬名さんが五徳に「そなたも三河の女子(おなご)であろう」と言った時じゃないかと思っています。五徳も幼いので、そのときはカッとなって言い返してしまったけれど、内心では瀬名さんの言葉が心にしっかり引っかかっていたんじゃないでしょうか。

 

それからやっぱり信康様の優しさや家族思いなところを見て、自分にないものを持っているのが分かって、すごく惹かれたし尊敬の気持ちも生まれたんだと思います。妹のために、母のために。そうやって誰かのために行動する信康様に、五徳も実は影響を受けていたんでしょうね。

 

 

■大河ドラマへ出演してみての心境

 

初めて自分が登場する回は、20時になる５分前からテレビの前に正座して放送を見ました。オープニングで自分の名前がクレジットされたのを見た時は、震えました。それからやっぱり、これを家族も見ているのかなって、それを一番に思い浮かべました。

 

父が歴史好きで、私の名前に「史」が入っているのもそこからです。子供の頃は、地元・東北の歴史に関する場所に連れて行ってもらっていました。両親に何か恩返しができたらなと思っていたので、このドラマに出演できて、本当によかったです。両親のところにも、いろんな方から連絡(感想の声)があるようで。岩手の祖母は毎回泣いているらしいんですけど。うれしいですね。

 

乃木坂のメンバーも見てくれている子が多くて。5期生のメンバーが初回からずっと楽しみに見てくれていたり。同期の向井葉月ちゃんは会うたびに「いつ出るの？」って聞いてくれて、出た後は「かっこよかった！」って言ってくれました。１期生の齋藤飛鳥さんの卒業コンサートのときに会場にいらしていた先輩の生駒里奈さんからこのドラマのことで声をかけていただいたのも、すごくうれしかったです。

 

今回のドラマで「ああ、乃木坂の子なんだ」と知ってもらって、グループのことを見てくれる人が一人でも増えたら、こんなにうれしいことはありません。

 

取材・文／赤坂麻実

 

 

●第25話（７／２㊐放送）「はるかに遠い夢」あらすじ

武田勝頼（眞栄田郷敦）により 暴かれた、瀬名（有村架純）と信康（細田佳央太）の 計画。それは やがて信長（岡田准一）の知るところとな る。２ 人の始末をつけなければ織田と戦になる。それでも家康（松本潤）は信長の目をあざむき、妻子を逃がそうと決意する。一方、瀬名は五徳（久保史緒里）に、姑は悪女だと訴える手紙を信長に宛てて書かせ、全ての責任を負おうとする。岡崎城を出た信康もまた、逃げ延びることを良しとせず……。

 

 

大河ドラマ「どうする家康」

NHK総合　毎週㊐後８時～８時45分

BSプレミアム　毎週㊐後６時～６時45分