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2016年版「一年半待て」にジェームス三木が込めた思いとは?

NEWS 2016.04.14

「一年半待て」代表ビジュアル

 過去10回以上ドラマ化されてきた松本清張の傑作短篇「一年半待て」が、ジェームス三木脚本、菊川怜主演でドラマ化。これまでは“容疑者・さと子(石田ひかり)目線”で描かれてきた作品たが、現代版「一年半待て」は、その容疑者・さと子を守ろうと奮闘する“弁護士・滝子(菊川)目線”でストーリーが展開していく。2016年版の本作に込めた思いをジェームス三木に聞いた。

「改めて原作を読みましたが、よくできてる話なので脚本は書きやすかったです。僕は世の中には、100%の善人も100%の悪人もいないと思っていて。善人を書くときはその人のちょっと悪い部分を足したいし、悪人を書くときはちょっと良い部分を書き加えたいって思いがある。だから今回も、登場人物のいろんな部分を描いています。ドラマに出てくる弁護士ってだいたい同じパターンになることが多いけど、今回は滝子のちょっと変な部分や変わった性格も入れてるので、普段あまりドラマで見ないような弁護士になっていると思います。演じられた菊川怜さんは苦労されたかもしれませんが、そっちの方がリアリティがありますからね。完成間近の映像を見ましたが、とても良い演出で、西浦正記監督には感心しました」

■見どころは「緊迫感ある掛け合い」と「人間の素顔」

「ドラマというのは、対立、葛藤、トラブル、揉め事、そういうものを描いていくのが基本だと思っています。今回でいうと、男女の対立、裁判官と弁護士の対立、女同士の対立。それをどう見せるのか、どう見せたら視聴者が興味持ってくれるか、そこを考えるのが大事です。ドラマを見たい人っていうのは、表情、目つき、その人の本心を見たいんだと思うんです。テレビはウソ発見器みたいなもんなんですよ。表情や手の動き、目の動きで別の気持ちが表れてしまうので。そこの楽しみは、ちゃんとやりたいなって思っていますし、このドラマはそれをやるのにとてもふさわしい原作でした。もう一つの見どころは、人間のエゴイズムみたいなものは誰にでもあって、自己弁護やプライドが傷ついたときに人間はどうなるのかってところですかね。弁護士が自己嫌悪に陥るところとか、あ、人間なんだなって思えると思います。人間の本当の部分を見せられたら」

■それぞれが自分なりの答えを出せる結末に

「最終的には、視聴者が自分なりの結論を出す、その人の性格とか価値観とか、自分の好き嫌いで判断できるような結末にしたいと思って書きました。今は視聴率がどうのって話もあるけど、僕はスマホの情報とか、コンピューターのデータはあまり信用していない。若い人たちに言いたいのは、データはどうであれ、自分はどういうふうに考えるのか、それが大事だということ。このドラマを見る人も、自分の頭で考えて、自分なりの解釈をしてほしい。その余白は作ってありますので」

ジェームス三木
1935年生まれ。
「澪つくし」、「独眼竜政宗」をはじめ、
数々の大ヒット作を手掛ける。

 

<作品情報>
金曜プレミアム
松本清張スペシャル「一年半待て」
4/15(金)
午後9時~10時52分

出演/菊川怜、雛形あきこ、戸次重幸、前川泰之、ふせえり、松澤一之、近江谷太朗、春海四方、渋川清彦、寺田農、ジュディ・オング、石田ひかり 

 

 

 

 

 

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