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“魑魅魍魎” (ちみもうりょう)が集うホームドラマ「遺産争族」の内山Pインタビュー

NEWS 2015.12.08

――ここからは、内山さん流の仕事術についても聞かせてください。ドラマづくりに影響を与えた、いわゆる原点のような創作物はありますか?

 「大草原の小さな家」(米国のドラマ。70年代から80年代にNHKで放送)。子供の頃に見てたドラマですね。なんだろうな、“ローラ(主人公)がんばれ”ってやつですよ。今でいう朝ドラですよね。それぞれ育っていく上で悩みがあって葛藤があって。基本的にドラマって、葛藤と闘いがあるフィクションの話なので。

――ご自身が手掛けられた中では特にドクターXが大ヒットしました。ドクターXを経て変わったことは?

 何も変わらない。何ひとつ変わらないですね。体力なくなったなあっていうぐらい(笑)。ドクターXの前に、10年ぐらい米倉さんとドラマをやってきて、彼女で見たいものっていうのはわりと明確に自分の中にあるし、それを彼女は思った通りやってくれるし。こういう彼女を今見せると視聴者は元気になってくれるかなという感覚があるので、それについては気負うこともなく。終わるとさみしいなと思うけど、もうあんな大変なの二度とやりたくないとも思うし(笑)、普通の連ドラとまったく変わらないですね。

――主演の役者さんとしっかり心を通わせるのも、いつもの内山さんのやり方?

 いつも通りですね。言葉は正しくないかもしれないけど、ルーティンみたいなもの。だから今は私の恋人は向井くんだと思ってるし(笑)。でも、米倉さんは遺産争族を毎週見てくれてるそうで、そこに自分が加われないのがさみしいみたいで「私は飲み会とか呼ばれないのね」って(笑)。そう言ってもらえるのは、うれしいですね。

――ドラマのプロデューサーという仕事をする上で、大切にしていることを教えてください。

 慣れないことですかね。以前こうだったから、今回こうやったらこうなるだろうっていう考えが、現場って本当に通用しなくて。10年かけて培った信頼も本当に1日で崩れることもあるし、だから、1日24時間とか制限があるなかで、全部に誠実にはできないんですけど……(誠実でありたい)。慣れると「こんなことやれば当たるだろう」とか(思ってしまいがち)。もう、これが一番最悪だと思っています。だから、とにかく慣れない。

 だって、発想とか想像力って絶対、訓練されてない人のほうが豊かですよ。子供のときの私たちの妄想ってすごかったはず。だんだん、ルールとかパターンを知って、当たったもの外れたもの、何本も経験して、スタッフもやりやすい人を集めていって、それは慣れますよね。そうするとなんだろう、たまに思うんですよ、「ああ、面白くなくなってる」とか。それが一番罪だと思う。いい緊張感を持ってやりたいですね。そういう意味では米倉さんとも、新しい作品に入るときには、同じ作品(の続編)であっても、わりと緊張して入るようにして。慣れないように、慣れないようにしますね。

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