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新アニメ「RE-MAIN」西田征史総監督が語る主人公に掛ける想い「明るさと適当さで逆境を乗り越えていける!」

アニメ 2021.07.01

 アニメ「TIGER & BUNNY」などの脚本を手がけ、映画・ドラマと幅広いジャンルで活躍する西田征史が、原作・総監督・シリーズ構成・全話脚本・音響監督を務めたアニメ「RE-MAIN」が、7月3日(土)深夜1時30分からテレ朝系で放送開始。中学3年生の冬、交通事故に遭ったことで記憶を失い、水球から離れた主人公・清水みなとが、高校入学とともに出会った新たな仲間と、再び水球を始める姿を描く。そんなアニメの裏側について、西田総監督が語ってくれた。

 

 

――主人公・清水みなとのキャラクターで、一番重要にされたポイントは何かありますか? また、記憶喪失にした理由があれば、教えていただけますでしょうか。

 私は、漠然とですが、ずっと「記憶」について頭を巡らせながら生きている感じがするんです。「記憶」が無ければ、それまでの出来事は無かったことになるのか? でも他者にはそれまでの出来事が事実として残っている訳で……本人はそれに対してどう向き合うべきなんだろう、みたいなことをずっと考えていて。今回、水球で日本一にまで上り詰めた少年がその記憶と鍛え上げた肉体を失い、ゼロに戻った時に、それにどう向き合っていくのかを描きたいと考え、この「リメイン」の物語を創り上げて行きました。清水みなとのキャラクターで一番意識したのは、記憶を失い小学6年生の状態に戻った彼の「小6モード感」。その明るさ、前向きさと「ま、いっか」という適当さで、この深刻な状況を乗り越えていけると考えたからです。そしてそんな彼だから部員達を変えていけると考えました。

――シナリオや映像などでご苦労された点は、何かありますでしょうか。

 中盤からの展開でとても悩みました。全く浮かばないという苦悩ではなく、「どっちに進もう?」というものです。実際に今、書き上げた展開とは全く違う展開も浮かんでしまい……。そっちはそっちで面白いが、こっちもこっちで面白いな、と。結局今進んだ道で正しかったと思っていますし、そう信じたいです。映像はもう苦労しっぱなし、というか、スタッフの皆さんに苦労をかけっぱなしです。水そのものの表現、と、水の中での動きの表現。現在進行形で苦しんでおります。

――西田総監督は学生時代に水球経験があるとのことですが、登場人物のモデルになった方は、いらっしゃいますか?

 いえ、人物にモデルは存在しないです。練習内容や、合宿時に学校の教室内の机上にレンタル布団を敷いて寝たこと等、思い出はかなり織込まれています。外プールの形状や併設されている部室やその中にあるお風呂は、ほぼそのまま再現しました。

――アフレコ現場の雰囲気は、どんな雰囲気でしょうか。

 本当に素晴らしいです。笑いが絶えません。且つ、皆さん真面目なのでとても脚本を読み込んでいてくれるので、演技の修正も早いし、的確ですね。私の出発点は舞台で、これまで何作か作演出も務めてきましたが、正に稽古場で芝居を作っている感覚に近いですね。「おぉ~ノッて演じてくれているなぁ」と感じることも多々有り、私もそこを活かす演出を心がけています。

――西田総監督ご自身が、水球から得たものは何でしょうか。

 そうですね、「水球」からのみではなく、「水球と仲間」から得たモノが沢山あります。「自分を追い込んだ先に、まだ見ぬ自分に会えること」だったり「相手を信頼すること、と、その幸福感」などです。それから、「高校の3年間を何かに熱中し打ち込んだ!」ということだけでも、かけがえ無いモノを得た気がしています。

「RE-MAIN」キービジュアル RMN_keyvisual_350dpi_RGB_統合_切抜_logo+c_web
RE-MAIN
テレ朝/ABC TV 毎週(土)深1時30分~2時

©RE-MAIN Project

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