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【インタビュー】内田雄馬3rdアルバム『Y』をリリース「ポジティブなメッセージの裏で悩んだりする自分も含めて伝えたかった」

アニメ 2023.12.11

 先日、2年ぶりにアルバム『Y』をリリースした内田雄馬さんが、TVstation25号に登場。本誌には載せられなかったインタビューを、おとどけします。

――アーティストデビュー5周年を迎えた内田さんがアルバム『Y』に思い描いていたことは?

 今までのアルバムのタイトルは、線で表現してきたんです。1枚目『HORIZON』は水平線のように横に真っ直ぐ“一”の字を描くイメージがあり、2枚目は二本の線という意味も込めて『Equal』。今回の『Y』は僕の名前の頭文字でもあり、自分を構成する3つの要素という想いがあるんです。声優とアーティストと個人。この3つの顔があって僕は一人の人間として成り立っているので、今までに得たものを自分の音楽に落とし込んで制作したいと思いました。

――三つの顔というのは以前から思っていたことですか?

 いえ、アーティスト活動を始めてから生まれた概念です。声優だけやっていた時代は仕事とプライベートが分離していなかったんです。役と自分の境目がわからなくなることもあったんですが、アーティストとしての活動を始めてからは「内田雄馬は僕ひとりで作っていくものじゃないんだ」と気づいて、どんどん自分を客観的に見られるようになった。それからスイッチをしっかり切り替えられるようになったんです。今はどんな役にも飛び込んでいけるし、アーティストとして提案されたものを昇華できるし、バランスが取れるようになりました。気づかなかったら、かなり辛かったと思います。

――アルバムには既発のシングルや6ヶ月連続デジタルシングルも収録されているので新曲についてお聞きしたいです。1曲目の「I’m here」はサビで“どんな時もココにいるよ”と歌っていますが、ファンへの決意表明でもありますか?

 リード曲「Joyful」がいろんなことを共有して楽しんでいこうと歌うポジティブで光が強いナンバーなので、そこに繋がっていく自分の芯の部分をしっかりメッセージしたいと思ったんです。「I’m here」では戦う場所はここしかないと歌っていますが、僕自身、これまで辛いことや大変なことに向かい合った結果、助けてくれる人がいたり、出会いがあって「こんな道があったんだ」と思ったり。そんな過程が音楽性に繋がっていったんです。戦うべき場所で戦うことが内田雄馬の芯=強さだと思うので、この曲があって「Joyful」のメッセージが説得力を増すと思ったのがいきさつです。

――「Joyful」はMVもすごくカラフルですもんね。

 はい。すごく楽しいMVになっています。ダンスもポップで見てくださった方も踊りやすいと思ってくれるんじゃないかなと。

――「iDea」は内田さんのファルセットが活きる大人な曲です。

 今までにやったことがないチルな音楽ですね。仮歌が女性のキーだったので「この曲を僕が歌ったらどうなるんだろう?」って最初は想像できなくてドキドキしました。パワーを伝えるような歌い方をしている曲が多い中、リラックスした自然な歌に響くようにアプローチしました。

――それも挑戦ですね。内田さんが作詞、作曲を手掛けた「旅路」は挑戦の最たるものですか?

 ええ。アーティストとして何を考えているのかをみなさんにしっかりお届けしたいと思って作詞、作曲をさせていただきました。まず、歌詞を書いてピアノを弾きながらメロディを考えて作っていったんです。僕がいちばん思っているのは「みんなと変わらないよ」っていうことなんです。今までは後ろ向きな自分の面をあんまり見せたくなかったんですけどーー。

――実は不安な心の中だったり?

 そうですね。でも、怖がらずにポジティブの裏で悩んだりする自分の内面も見せた方がこれまで作ってきた音楽ももっと明確に伝わるんじゃないかってすごく思ったんです。正直、自分のことを語るのはとても恥ずかしい。「どう思われるんだろうな」と考えてしまう性格なので勇気は必要でした。5周年を迎えていちばん伝えたかったのは感謝なんです。内田雄馬の音楽を見つけて聴いてくださった方たちがいたからこそ、ここまで来れた。弱い自分が壁にぶつかっても、踏み出してきたから、みなさんと出会えたことを自分の言葉で伝えたかったんですよね。

――今まで以上にご自身をさらけ出しているんですね。内田さんの音楽を聴くと笑顔になれる、元気になれるという意見が多いですよね。

 僕らチームが作った音楽がどんな形でも誰かの心に響いていることが嬉しいです。どう感じてくれてもいいし、それで何かが動いてくれるんだったら十分だと思っています。その上で“挑戦する力”になる音楽だったらよりいいなと。

――ちなみに30代になって「大人になったな」と感じることはあります?

 そうですね。気づいたら大人になっていた感じですが、子供の頃と感覚はそんなに変わっていないと思います。「大人になったな」と思う瞬間は自分より若いコたちが現場にたくさんいる時ですね(笑)。

――いつのまにか先輩になっているのを感じる時ですね。

 この前までいちばん年下だったのに「あれ、上から2番目ぐらいだな」って(笑)。そういう時に感じますね。

Y
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CD+ブルーレイ盤 4290円(税込み)


通常盤 3520円(税込み)

取材・文/山本弘子

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