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【インタビュー】「なんで私が神説教」藤森真実Pが明かす見どころ「大人にも共感してほしい」

ドラマ 2025.04.25

 成り行きで高校教師になった主人公・麗美静(広瀬アリス)が、生徒たちにスッキリと痛快な説教を繰り広げる学園ドラマ「なんで私が神説教」(日テレ系)。3話(4/26㊏放送)を前に、ドラマを手掛ける藤森真実プロデューサーが、見どころや物語に込めた思いを語った。

――主演の広瀬アリスさんとは、どのような話をされていますか?

 広瀬さんと台本を見て話してたのが、主人公の静は先生と生徒というより、人と人ということを心がけて説教できればなというのを思っています。先生が生徒に怒るというより、人間同士で言いたいことを伝えたいと。その人のために何を言えるかということを大事にしています。

 1話の放送後、「共感した」という意見も多く頂きました。広瀬さんのセリフが綺麗ごとだけじゃなく、「世の中こういうものだ」とか「全部うまくいくわけがない」とか、そういうことを含んで説教を考えています。広瀬さんとも、それが視聴者の皆さんにちゃんと伝えれられたらいいねって話をしていました。

 広瀬さんは、笑顔で明るい役が多いなか、新しい広瀬さんが見られるんじゃないかと。今回役作りでは、広瀬さんの“キレイなお姉さんのイメージを一回封印しようって話をご本人ともしました。その上で重い前髪にして、お化粧もほぼしない等身大の20代後半にできるようにお願いしました。

――ドラマ作りの中で、大切にされていることは?

 脚本のオークラさんとは、「説教が大人にも共感できる内容にしたい」っていう話をしていて。たとえば、1話のいじりといじめについてで、2話は恋人をいる人を好きになっちゃいけないの?という問題。大人の間でも不倫もありますし、一度はこういう経験をしたことある人が多いと思うんです。なので、大人の世代が見て、「そういう考えもあるんだな」と思えるような内容にしています。今後たとえば、今の世の中、仕事も含めてすぐ辞める人が多いんじゃないですか。それは本当にいいことか悪いことか……みたいなことも出てきたりして。 毎回、自分にも重ね合わせられるような内容にしております。

――浦見光先生役の渡辺翔太さん(Snow Man)について、起用された理由や見どころを教えてください。

 渡辺さんは、「コメディ初めてだから難しいし、楽しんでる」って言ってくださってます。ご自身でもコメディはやってみたかったそうで、新しい一面を見てもらえたらなと。渡辺さん自身が持つ前向きで良い人な部分と、ちょっと天然っぽくて、やる気前向きな浦見先生のキャラクターがマッチして、話を追うごとにもっと面白くなっていってます。コメディパートを引っ張る存在として、今後の活躍も期待していただきたいです。もちろん、それだけ(面白くて天然)だけじゃない何かもあって、どんどん浦見先生のキャラが膨らんでいくので、注目していただきたいと思ってます。

――ほかにも個性豊かな先生の物語も気になります。

 2話の最後で伊藤淳史さん演じる森口櫂先生が豹変して、3話以降は全然違うキャラになってます。そんな森口を、伊藤さんが面白く演じてくださっているので、すごい見応えがあります。森口先生vs静先生と、森口先生vs加護校長(木村佳乃)の対立構造など、先生同士の人間模様も楽しんでいただけたらと。

 新庄教頭役の小手さんと、大口先生役の野呂佳代さんには、いわゆるコメディリリーフとして描かれていますが、今後2人もどうなるのか。岡崎紗絵さん演じる林先生も、どう成長するかに注目していただければ。今回、色んな方に取材していて、仕事は生きがいじゃなく生きるためにやっているという人が多くて。そんなことも反映して、学園ドラマですが教師たちのリアルな人間ドラマもしっかりと描いていきたいです。

――ドラマの舞台を学校にしたのには、何か理由がありますか?

 実際に子供を持つ方の話を聞いていると、今の学校は先生があまり生徒に触れないし、ツッコんでもダメだというのを聞いて。「私たちの学生時代と違うよね」とか「本当にそれいいのかな」という話を聞いたりしました。でも生徒さんに聞くと、実はもっと先生に話を聞いてほしいこともあったり。

 今の時代、何かするとパワハラと言われるので、上の人が何も言えない。だけど、下の人は言いたいことを言う。そんな構図を象徴してるのが学校かなと。昔の学園ドラマは、先生が生徒に怒る=熱血みたいな感じだったじゃないですか。でも、本当は怒りたくないし問題を起こしたくないじゃないですか。それが、(説教を)やらないといけない状況に陥るところが面白いかなと、オークラさんと考えました。

――生徒役については、いかがでしょうか。

 生徒役はオーディションを行い、それぞれ光るものや違う個性があって選ばせていただきました。1話でスポットが当たった綿貫陽奈役の清乃あさ姫さんは、本番前に読み合わせやお芝居の練習をしていた時から、どんどん吸収していました。その陽奈にいじめられる側の内藤彩華役の豊嶋花さんは、以前もご一緒していますが、18歳だというのが信じられないぐらい現場を引っ張ってくれて。お芝居の引き出しも多いし、すごく信頼しています。


――3話の見どころについて、教えて下さい。

 3話は、静のクラスの生徒・宮沢圭太(吉田晴登)が退学させられそうになります。その時に、静がどのような説教をするかに注目していただければ。先程の簡単に辞める人が多いという問題は大人の世界にも多いと思うので、それに対して静がどう話をするのかを楽しみにしてください。宮沢は色々と抱えた難しい役なのですが、演じる吉田くんのお芝居が素晴らしいので、彼にも注目してください。

 2話のラストで森口先生さんが豹変して、そこから学校自体も大きな波に飲み込まれて色んなことが起きます。3話のラストにも「そういうことになっちゃうの⁉」っていう出来事が待っているので、最後まで楽しみに見ていただければなとは思う。

なんで私が神説教
日テレ/読売系 毎週㊏後9時~9時54分

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