映画

藤ヶ谷「原作の香りも残しつつ、映画ならではの良さを」奈緒「みんなと価値観を共有して”傲慢”と”善良”の間で揺れ動けた」原作・辻村深月も「私が見たかった『傲慢と善良』です」と太鼓判!「映画『傲慢と善良』ジャパンプレミア【イベントレポート】

映画 2024.09.11

 9月27日(金)公開の映画『傲慢と善良』ジャパンプレミアに、藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)、奈緒、倉悠貴、桜庭ななみ、原作の辻村深月、萩原健太郎監督が登壇した。

 会場の両サイドのドアから登場した藤ヶ谷と奈緒。中央のステージで合流すると、藤ヶ谷から花束のサプライズが。「聞いてないよー!」と驚きつつうれしそうな奈緒に、藤ヶ谷は「だってサプライズだもん(笑)。(藤ヶ谷演じる)架から(奈緒演じる)真実への気持ちと、藤ヶ谷から大切な作品を一緒に作れて、感謝の気持ちです。」と笑顔を見せた。

 冒頭の挨拶では、まずは藤ヶ谷が「個人的にも、今この瞬間、夢が本当に形になる瞬間です。ドキドキとふわふわしていますけれども、すごく嬉しい気持ちでいっぱいです」と感慨深くコメント。続いて奈緒が「辻村さんの作品に出たいというのが、この仕事を始めたときからの夢でした。夢がかなって嬉しいです」と喜びを語った。

 舞台挨拶には、原作者の辻村深月も登壇。「原作は、かなり言葉を尽くして書いた小説。婚活や、人に選ぶ・選ばれるとか、自分でもよくここまで書いたというぐらいのことを書いた。だからこそ、実写の映画にした時には、それは伝わらなくてもいいという気持ちで送り出したが、私が見たかった架と真実の痛い部分やカッコ悪い部分を全部入れてくださって。原作のファンの方たちも、きっとこれが見たかったと思っていただける『傲慢と善良』になっていると思います」と太鼓判。辻村の言葉に、藤ヶ谷「うれしい、ニヤニヤしちゃう」と喜びを噛み締めた。

 原作の「傲慢と善良」が「人生で一番刺さった作品」と話していた藤ヶ谷。今回の出演について「本当に心からうれしかったですし、2019年に出会った時は、小説が刺さって面白いということだけを伝えていて、いつか演じたいという思いは1ミリもなく。言霊にしていることで形になったことがうれしかった」と話しつつ「原作がとにかく好きなので、原作の香りは絶対に残したいし、でも映画ならではの良さを絶対に入れたい。監督や奈緒ちゃんと話し合いをしながら、みんなで作ったというのがいい思い出です」と振り返った。また、奈緒は「大事にしたいと思っていたのは、”傲慢”と”善良”という2つの言葉があって、なるべく1つの物事をどちらかの言葉で決定づけないようにということを意識していた。そのために、一緒に作るみんなの価値観を共有しながら、話せば話すほど”傲慢”と”善良”の間で揺れ動くことができた」と語った。

 また、今回の撮影に向けて「3人(藤ヶ谷、奈緒、萩原監督)で食事をした」と藤ヶ谷。「映画や役の話をしている中で、自分にとっての愛はどういうものか、人に優しくすることはどういうものかを自然と話して。今思うと、ちょっと恥ずかしいことを言ったかなと」と告白。奈緒が「ちょうど3人だし、(テレビ番組の)「ボクらの時代」みたいな(笑)」と返すと「カメラなし、オンエアなしの「ボクらの時代」でした(笑)」と藤ヶ谷が発言。「(食事会が)作品に活きた」と話す藤ヶ谷に、奈緒は「監督の夫婦関係や愛の話がすごくうらやましいなと思った。そういう監督がこの作品を撮るのは信頼しかなく、クランクイン前に(撮影が)楽しみになりました」と語った。

 撮影現場で印象的だったことを問われ、倉が「ヤギが出演するシーンがあるんですけど、ヤギがいいところに来るまでキャベツを…」とヤギとの格闘を告白。奈緒が「2人で台本にない会話をしているシーンが、そのまま使われて」と話すと、萩原監督が「カットかけるのを待ってると、奈緒さんが倉さん笑わせていて、それが見ていてほっこりしたので、なかなかカットかけませんでした」と撮影裏話を明かした。

 また奈緒が「ちょうど撮影の前に桜庭さんがご結婚をされて。カットがかかるとガールズトークをしていた」と話すと、桜庭が「楽しかったね」と返答。一方、藤ヶ谷は「合間はいろんなお話をされていましたが、本番で2人が出会うシーンは、経験したことがない、地獄のような空気でした(笑)」と話し、会場を笑わせた。

 続いて、意外に感じた共演者の一面について質問に。藤ヶ谷は「4年ぶりに奈緒ちゃんと共演して、休日の過ごし方の話になった時『最近、倖田來未さんのモノマネにハマっていて、カラオケで練習しています』っておっしゃって。インパクトが強すぎて『そうなんだ』だけで終わらせけど、その日の夜風呂に入っている時に『すごいエピソードだったな!』って思って(笑)」と暴露。奈緒は「さっき、『奈緒ちゃん、倖田來未の話、言っていい?』って言ってきて(笑)」と言いつつ「お風呂場でやってみたんですけど、濁点を付けると、倖田來未さんっぽくなるんですよ」と、まさかの実演で「自分からやってるじゃん!(笑)」という藤ヶ谷のツッコミがさく裂。

 一方、奈緒からは「めっちゃ食べる」という暴露が。「(佐賀での撮影で)トンカツ食べる前に、唐津バーガーを食べてましたよね?」という問いに、藤ヶ谷は「せっかくだからね。マネージャーさんと唐津バーガーをテイクアウトして、ホテルのロビーでマネージャーさんと3人で食べて、その後トンカツを食べに行きました」と告白。さらに「しゃぶしゃぶも食べてましたよね!?」という奈緒の追い打ちに「せっかくだからね(笑)。おいしかったね!佐賀、めちゃくちゃ食べ物もおいしいし、景色もきれい」と絶賛した。

 続いて、「一生に一度の選択」という質問に、藤ヶ谷が「劇中で架がつけている腕時計は、自分で買いました」と告白。「夢がかなう瞬間ですし、自分にとっても大切な作品なので、架のものを何か買おうと思って。今日も付けています」と披露。「なかなか劇中のものを買うことはなかったんですけど、その瞬間のものだから(買わないと)後悔しそうだなと思って。お守りのような感覚ですね」としみじみと語った。
 
 そんな藤ヶ谷と奈緒に、辻村は「私には架と真実にしか見えない。こんなに思い入れを持って演じてもらえるって、著者としてうれしいですし、本当に書いて良かった」とコメント。その言葉に2人は驚きつつ、藤ヶ谷が記者に向かって「これ太文字でお願いします!」と声をあげ、会場を笑わせた。

 最後は藤ヶ谷が「とにかく原作が素晴らしく、この映画も素晴らしいと自信をもって皆様お届けできる作品になった。自分の夢でもあったし、自分にとって代表作になればいいなと思っています。皆さんの人生の中で刺さった1本になったらうれしいなと思います」と締めくくった。

 映画『傲慢と善良』は、9月27日(金)公開。

最新号はこちら

menu