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原作者・ねむようこが語るドラマ「こっち向いてよ向井くん」の見どころ「向井くんがどういう形の幸せを掴んでいくのか楽しみ」

ドラマ 2023.08.09

 日テレにて放送中のドラマ「こっち向いてよ向井くん」(毎週㊌後10時~11時)。本作は、雰囲気も性格も良くて仕事もできるのに、元カノを引きずっているが故に10年恋をしていなかった恋愛迷子の向井(赤楚衛二)が、久しぶりの恋に奮闘するラブコメディ。今夜放送の第5話で、向井が元カノ・美和子(生田絵梨花)と久しぶりの再会を果たし、物語は新たな展開を見せる。そんな重要回を目前に、原作者・ねむようこが取材に応じ、ドラマの感想やキャストとの交流、今後ドラマで楽しみにしていることなどを語った。

 

──映像化された作品をご覧になった感想をお聞かせください。

 役者さんが実際にしゃべったり、動いたりすると、独特の生々しさやエネルギーがあって、漫画とは違う表現があるんだなということを改めて感じています。そして、役者さんが演じていることで、見てくださる方にとって、より身近に、より“自分の物語”として捉えてもらえるんじゃないかと思いました。

──撮影の現場はご覧になりましたか?

 元気(岡山天音)がやっているパイレオというお店のシーンの撮影を見学させていただきました。その時は、向井くん、洸稀ちゃん(波瑠)、元気、アンちゃん(久間田琳加)がいて、アンちゃんが水をこぼすシーンや、向井くんが自分の理想はくるぶしより低いということを話すシーンを撮影していました。

──ご自身が描いたキャラクターが実写となって動いている姿を目の当たりにして、いかがでしたか?

 自分が作り出したキャラクターを、いつもテレビで見ている人たちが演じてくれているって……キャラクターが“体を得た”という感じで、すごく不思議な感覚ですね。

──赤楚さんが演じる向井くんは、どのようにご覧になっていますか?

 実際に赤楚さんとお会いした時に、本当に優しい好青年でキラキラした方だなと思いました。だから、しょんぼりした感じがある向井くん役で大丈夫かなと思っていたんです(笑)。でも、しょんぼり演技も本当にお上手で、お見事だな、と。

──赤楚さんと、「こんなふうに演じてほしい」など、何かお話されましたか?

 私はお芝居に関しては素人なので、お芝居についてお話するということはありませんでした。ただ、一緒にお写真を撮っていただいたんですけど、セルフで“こっち向いてよ”のポーズをしてくださって。サービス精神もあって、すごく優しい方でした。

──これまでの放送でお好きなシーン、ご自身の想像を超えたなというシーンなどはありますか?

 洸稀ちゃんにバレーでしごかれながら会話したり、ピエロの格好で語ったり、そういう向井くんの妄想シーンを面白おかしく実写にしてもらえているな、と感じています。面白かったです。あとは1話のメロンパンを渡すシーンですね。脚本で拝見した時はちょっと洸稀が高圧的に見えるんじゃ無いかなと心配でした。でも波瑠さんが演じた洸稀はとっても自然で嫌味がなくてすごく素敵でした。今は波瑠さんが演じてくれる凛とした洸稀を見るのが毎週の楽しみです。

──実写になって、より魅力的になったなと思うキャラクターはいますか?

 麻美(藤原さくら)です。藤原さんのお声がステキで、漫画の麻美そのものでありながら、魅力が増しているような気がしています。あとは、お母さんの公子(財前直見)もすごく魅力的。麻美とお母さんは見ていて気持ちがいいというか、家族としてステキな関係性になっているな、と感じますね。

──ねむ先生が個人的に好きなキャラクター、共感するキャラクターはいますか?

 私は、アンちゃんが好きです。アンちゃんは恋愛が好きで、恋愛を楽しむタイプの人。私とは違う価値観ですが、それはそれで楽しそうだし、足取りが軽いところが見ていて爽やかでいいなと思っています。あとは、麻美の結婚という制度の中で頑張って、もがいている姿に共感しています。

──ドラマで麻美を演じる藤原さんとアンを演じる久間田琳加さんはどのようにご覧になっていますか?

 藤原さんは、お顔が赤ちゃんみたいにかわいらしいのに声が知的で、そのギャップがキャラクターに合っていて、いいなと思っています。久間田さんが演じるアンちゃんは可愛すぎて、テレビを見ていてびっくりしました。何よりも、お2人ともすごく魅力的に演じてくださっているなと感じています。

──作品の中には「“女の子”という人格はない」など女性が共感するセリフが多く登場します。こうしたセリフを書こうと思われたキッカケは何かあったのでしょうか?

 今まで生きてきて、自分の中で溜まっていたモヤモヤを発散しようという思いが少しありました。それは自分のものもそうだし、周りの友人、知人が持っているモヤモヤや怒りみたいなものも源になっているかなと思います。

──実写化されたことで漫画の読者が増えているなと感じることはありますか?

 割とエゴサするタイプなので(笑)、赤楚さんのファンの方が読んでくださっているな、ということは感じています。

──ドラマを見ている方におすすめの原作の楽しみ方、逆に原作ファンの方に向けたドラマの楽しみ方を教えてください。

 ドラマに合わせて、放送されたストーリーの部分の漫画を読み進めるというのは楽しいかなと思います。漫画を描いている私は内容を知っているのに、ドラマを見ながら毎回ハラハラしているので、意外と漫画を全部読んでからドラマを見ても楽しめるんじゃないかな、とも思っています。

──ドラマの後半に向けて、楽しみにしていることはありますか?

 向井くんがどういう形の幸せを掴んでいくのか、幸せの尻尾くらいは掴めるのか、というところは楽しみにしています。あとは、私自身、悩みながら描いている洸稀ちゃんと環田さん(市原隼人)の関係が今後どうなっていくのかも気になりますね。

──5話から、向井くんの回想ではなく、現在の美和子が登場します。演じる生田絵梨花さんに期待していることはありますか?

 あんなに可愛い元カノがいたら、向井くんは大変だなと思っています(笑)。実際にお会いした時に、生田さんもすごくステキな方でした。向井くんの回想や理想の美和子と、実際に久しぶりに会った美和子のギャップを、ステキに演じ分けてくださるのではないでしょうか。これからの向井くんと美和子のひと悶着は、すごく楽しみにしています。

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