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【インタビュー】ドラマ「天久鷹央の推理カルテ」原作・知念実希人×主演・橋本環奈 夢の対談が実現!

ドラマ 2025.05.20

 医学的な知見と診断能力で、謎多き事件や現象を解決する新感覚の本格医療ミステリードラマ「天久鷹央の推理カルテ」(テレ朝系・火曜よる9時)。
原作はベストセラー作家・知念実希人の人気シリーズ。主演の橋本環奈が天才ドクター・天久鷹央を見事に演じる。
 今回、主演・橋本環奈×原作・知念実希人という夢の対談が実現。原作の大ファンという橋本が次々と質問を投げかけ、原作の制作秘話やドラマ撮影現場の裏話も飛び出したロングインタビューをお届けする。

 

<<INTERVIEW>>
橋本 私、知念先生の作品が大好きで、「天久鷹央」シリーズも学生時代にずっと読んでいました!
知念 ありがとうございます。読んでいただいて、すごくうれしいです。
橋本 知念先生はお医者さんでもあって怖いぐらい多才過ぎるから、きっと変わっている方なんだろうと思ってました(笑)。もしかしたら、先生には鷹央に似ている要素があるんじゃないかなと勝手に想像していて。
知念 自分では、変わっているとは思っていないんですけど(笑)。
橋本 鷹央に似ているのは、とてもステキなことだと思います!
知念 実は「天久鷹央」シリーズの実写化のお話はいくつか頂いていたんですけど、鷹央のイメージに合う役者さんでのオファーが今までなくて、お断りしていたんですよ。長く続いている大切なシリーズでもありますし。
橋本 そうなんですか!
知念 2、3年前ぐらいに「橋本環奈さんで実写化するのはどうですか」とご提案いただいて。映画『銀魂』(17年)の神楽役、「今日から俺は!!」(18年日テレ)の早川京子役、『キングダム』(19年)の河了貂役など、どれも素晴らしかったので「橋本環奈さんなら、ぜひ!」と。
橋本 うれしい! いろいろ観て、知ってくださっていたんですね。私はシリーズ初期の頃から読ませていただいて、取材とかで「好きな小説は「天久鷹央」シリーズ」って答えていて。だから、オファーをいただいた時、「まさか自分がやらせていただけるなんて」とビックリしたんです。
知念 ファンの方から、橋本さんが「天久鷹央」が好きと言ってくれているという話は聞いてました。時々「天久鷹央」が急に売れることがあって、どうしてだろうと思っていたら、そういうことだったんだ、と。
橋本 私の影響じゃないですよ(笑)。
知念 絶対に、橋本さんのおかげなんです。橋本さんのファンの方が買ってくれたみたいで、ありがたいです。
橋本 お聞きするのはちょっとドキドキするんですけど、私が演じる鷹央をご覧になって、いかがですか?
知念 鷹央が最初に登場するところから、挙動不審な感じが素晴らしくて。ここまで作り込んでくれるとうれしいです。髪型も、鷹央のイメージ通りにしてくださって。
橋本 ありがとうございます! 髪はレイヤー入れて切りました。ビジュアル以外も、鷹央って要素が多いじゃないですか。手先が不器用とか、ワーッと一気にしゃべったり、人とうまく接することができなかったり、視線を合わせるのが苦手だったり。撮影初日は、そういう特徴を、頭で考えてやっているように見えないお芝居をするのがすごく難しいなと感じました。
知念 ちょっとしたしぐさや動き、歩き方も鷹央ならではの特徴を完全に捉えた上で、コミカルにも演じてくださっていますよね。僕は、橋本さんのコメディ演技がすごく好きです。
橋本 よかった! 先生はSNSでドラマのことを発信してくださっていて。演じる側としてとてもありがたいですし、原作者の方が受け入れてくださっているんだと安心します。現場で小鳥遊役の(三浦)翔平さんが「小鳥遊、これで大丈夫かな」と心配していたので、「大丈夫、知念先生がXで『ピッタリだ』ってめっちゃ喜んでた」って言っておきました(笑)。
知念 Xで時々、橋本さんからの「いいね」が付いていて。本物のアカウントか確認しちゃいます(笑)。

 

病気を探り説明する内科医の仕事が『天久鷹央』の原点
橋本 原作小説は、19作も続いているんですよね。医療モノの要素に加えてミステリー要素があって、先生は脳みそのどの部分を使って思いついているんだろうと思うくらい、すべてのお話が面白いです。それでいて、難しい知識がなくても読めて、文字で追っていくのも飽きさせないし、読書習慣がない人も楽しめるところが魅力的だなと。学生の読者も、たくさんいらっしゃるのではないですか?
知念 そうですね。小学5、6年生から読み始める方も多いです。
橋本 分かりやすくて、謎がどうなるのか、読者としては探求心を刺激されるので、どんどん読み進めたくなるんです。私も実家の本棚に「天久鷹央」シリーズを揃えていて、母が今読んでいて「本当に面白い」と言ってます。
知念 うれしいですね。お母さまによろしくお伝えください(笑)。
橋本 これだけ面白くて愛される原作の良さが映像でも伝わるように、ドラマではアニメーションが入ったり、鷹央のセリフだけだと入ってこないような難しい病名に注釈を入れたりしています。ドラマ版も、多くの方に楽しんでいただきたいなと思っています。知念先生は小説を書く上で、分かりやすさを大切にしているんですか?
知念 僕は内科医なので、症状や検査結果から何の病気かを診断して「こういう病気だから一緒に治していきましょう」と患者さんに説明するのが仕事なんです。しかも、僕の作品は中学生ぐらいの読者も多く、小学校を卒業してすぐの子どもたちにも理解できるように書くことを心がけています。
橋本 患者さんと話したり分かりやすく伝えるという点では、鷹央の仕事と共通するところがある気がします。
知念 おっしゃる通りです。例えば、お腹が痛いという患者さんが来て、その人が単にお腹が痛いだけなのか、それとも何か大きな病気があるのかを調べて、少しずつ推理していくような感じですね。仕事をしていて、これは推理小説みたいだと思って、僕はミステリーを書き始めたんです。
橋本 そうだったんですね! 鷹央は、不可解な謎に思いもよらない病気が隠されていることを解き明かしますけど、先生は病気とミステリーをどう結びつけているのか、気になります。
知念 興味深い症状や不思議な病気を書き出して、それと人体自然発火とか超常現象を並べて、これがどうにかしてつながらないかなと考えてます。
橋本 知念先生の作品をお医者さんが読むと、結末の前に謎解きやトリックに気付いたりするんですか?
知念 医師だったら、気付く人もいると思います。ただ、特殊なトリックもあるので、何の病気かは分かっても、どういう毒が使われてそうなったのか、といったところまでは、なかなか気付かないみたいです。
橋本 そうなんだ、面白いですね!

 

面白いことを一番大切にする撮影現場で鷹央を自由に作る
知念 鷹央は作り込んで演じるのが大変なキャラクターだと思いますが、橋本さんは原作をしっかり読んだ上でキャラクターを作り込んでくれていますよね。鷹央の特殊な癖も、演出に関わる皆さんでドラマオリジナルのものを加えてくださっている。
橋本 そう言っていただけて、ありがたいです。「これで本当に合ってる?」と思いながら、木村(ひさし)監督と一緒に楽しんでやっています。
知念 確かに、楽しい雰囲気が画面から伝わってきます。
橋本 この現場は、面白いかどうかを一番に考えられる環境なので、自由にやらせてもらっています。知念先生が大らかで、私たちに任せてくださっている部分も多いですし。
知念 僕はストーリーを作るプロですけど、演出のプロではありません。これまでの実写化で監督や俳優の方々の演出は本物のプロだと感じていて、任せた方がいいと分かっているので。
橋本 鷹央が小鳥遊と初めて会う1話のシーンで、ずっとカレーを食べながら「私が天久鷹央だ」「私は27歳のれっきとしたレディーだ」と言うところも、監督と「普通に会話しても面白くないね」と話しながら、普通の人と違う感じを足しました。ただ、あまりに足し過ぎると、一人の人物像として枠から外れてしまうので、入念に打ち合わせをして決めています。
知念 やはり、プロの仕事ですね。
橋本 私は天久鷹央が大好きなんですけど、このキャラクターはどのようにして生まれたんですか?
知念 ミステリー作家はそれぞれ、名探偵を生んでいます。島田荘司さんは御手洗潔、コナン・ドイルはシャーロック・ホームズというように。僕は、数々の名探偵の中でも一番の名探偵であるシャーロック・ホームズをモデルに、ホームズが女性で医者だったら、こういう感じになるだろうと考えて、ちょっとコミカルな部分も入れたのが、天久鷹央なんです。
橋本 鷹央はキャラクター性が強くて、とても魅力的ですよね。
知念 名探偵は魅力がないといけなくて、僕は鷹央を魅力的な名探偵として書けたと思うのですが、その魅力を演じてくださる方がなかなか見つからなかった。シリーズ開始から10年ほどたった今、ようやく理想的の形で実写化が実現しました。だから今回は、とてもうれしいです。
橋本 そういってくださる知念先生にドラマを観てもらうのは、一番緊張します(笑)。鷹央が謎を解いた時の表情やコミカルなところは、楽しんでいただけるんじゃないかなと。
知念 どんな鷹央が見られるのか、毎回楽しませていただきます。
橋本 実写で、さらに「天久鷹央」の面白さが増すように頑張ります!

【番組情報】
天久鷹央の推理カルテ
テレ朝/ABC TV系 毎週㊋後9時~9時54分

撮影/十万正人 取材・文/伊沢晶子

※現在発売中のTV station11号にて掲載中。誌面では、サイン入りチェキのプレゼントも!

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