その他

[3]プラス思考

その他 2014.07.18

みなさん、こんにちは。メンタルトレーニングコーチの大儀見浩介です。私の仕事は育成年代のスポーツ選手やアスリート、ビジネスパーソン、学校の先生や生徒、保護者の方々など、あらゆる人達の心理的競技能力向上のお手伝いをすることです。今回はメンタルトレーニングのスキルのひとつ「プラス思考」についての話をしましょう。

プラス思考という言葉を聞いたことのある人は多いと思います。みなさんは感情を自分でコントロールしていますか? 感情にコントロールされてはいませんか? イライラしたり、ネガティブな感情に支配されずに、日々前向きに過ごしたいものです。

プラス思考は、メンタルトレーニングの専門用語では『積極的思考法』と言います。これは文字通り、強気、前向き、積極的な考え方です。人間はまず、思考をしてから行動に移します。このとき、弱気な思考に支配されると、なかなか一歩を踏み出すことができません。積極的な行動を起こすためにも、積極的な思考が必要なのです。

スポーツの一流選手やトップビジネスパーソンは、積極的思考力が高いと言われています。ケガをしたり、逆境に陥ったとしてもネガティブにとらえず、「成長のチャンス!」と考えます。サッカー日本代表の本田圭佑選手や長友佑都選手は、大きなケガをしたときにも「新たな自分に出会えるチャンス」と、普段ではトレーニングできない部分を鍛えていました。

ケガや失敗という、起きてしまったことはどうにもなりません。しかし、ケガや失敗から多くのことを学び、成長に活かすことはできます。起きたことをネガティブにとらえるか、それともポジティブにとらえて新たな行動を起こす第一歩にするのか。スポーツの世界では、それが一流選手と二流選手の分かれ目になります。

そうは言っても、普段から物事に対してネガティブに考えるクセがついていて、ポジティブには考えられないよ……と思う人もいるかもしれません。そこで、プラス思考を作るためのテクニックをお教えします。それが『ポジティブ・リフレイミング』です。リフレイミングとは、フレームを作り直すこと。カメラで被写体を写すとき、良い構図になるまでファインダーを覗き直すことがあるかと思います。そのように、起きたものごとを別のポジティブな角度からとらえ直すのです。

たとえば、仕事に出かけようとしたら『雨が降っていた』とします。「雨は嫌だなあ」と感じた時、ネガティブな面を見るのではなく、ポジティブな側面を探し出すのです。たとえば、「涼しくて、気持ちがいい」や「新しい傘でお洒落しよう」。「草木に水をあげる手間が省けた」などです。また、『大変な仕事の担当になった』とき、多くの人がプレッシャーを感じるのではないでしょうか。そこで「嫌だなあ」とネガティブになるのではなく、「この仕事をやりきれば、より成長できる!」と物事に対して前向きに考えるのです。積極的な思考をすることで、様々なヒントやアイデアが生まれます。人間はストレスを感じた状態では、よいアイデアはなかなか出ません。お風呂場などでリラックスしたときに、ふとアイデアが閃いた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。普段から、適度なリラックスと積極的な思考を意識してみてください。

物事を前向きにとらえ、積極的な思考をすることで、より前向きに行動することができると思います。嫌だなあと思うことが起きたら、ポジティブ・リフレイミングをして、プラスの面をみつけましょう!

 

<プロフィール>
大儀見浩介大儀見浩介(KOSUKE OOGIMI)

メンタルトレーニングコーチ。㈱メンタリスタ代表取締役。
サッカー選手として、東海大一中時代に全国優勝を経験。高校ではサッカー部主将として鈴木啓太(浦和レッズ/元日本代表)とプレーした。東海大学体育学部・高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育メンタルトレーニング、受験対策、ビジネスメンタルなど、様々な分野でメンタルトレーニングを指導している。テレビ・新聞・雑誌出演多数。著書に「C・ロナウドはなぜ5歩さがるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング」「ヤングアスリートのための36のメンタルトレーニング」「心理戦術が日本サッカーを進化させる」がある。妻はなでしこジャパンの大儀見優季。http://www.mentalista.jp

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