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岩井俊二監督最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』が公開初日を迎え、舞台あいさつに、監督のほか、メインキャストの黒木華、綾野剛、Coccoが登壇。
なんでも屋・安室を演じた綾野は劇中の「ねこかんむり」をかぶり、顔を隠したまま登壇。岩井も「綾野くんが急病でねこかんむりを用意しました」と冗談めかし会場を沸かせると、「安室はなんでも屋なのでMCも……」と綾野が進行役を買って出た。
「一昨年、11月のクランクインから足掛け1年強、原案からは3~4年……ようやくここまでたどり着けた。ついに自分の手から離れると思うと感無量」と岩井。主人公・七海役の黒木華は、「この現場では岩井さんが私のことを考えてくれると聞いていたもので、幸せな時間でした。幸せの限界がきそうなぐらい」、Coccoは「普段は音楽畑ですが、(出演は)20年やってきたご褒美と思うぐらいしかないぐらい幸せでした」と笑顔を見せた。綾野は「『リリー・シュシュのすべて』や『スワロウテイル』を見て、この世界にずっといたいと思った」と岩井作品へ思いを明かし、「約12年ぶりに岩井組に出演できると思ってうれしかった」と喜びを口にしていた。
そんな岩井への思いを聞いてか、Coccoも「自分は役者ではありませんが、13才の時に沖縄で見たドラマのエンドロールで“岩井俊二”という名前を見て、『この作品を作った人に会う!』と思った」と打ち明け、「時が流れても見つけてもらえず、歌手としてデビューした時もスルーだし(苦笑)。(参加の)お話も楽曲の方で……。会いたいと思いだけがあったなかで、本当に会うことができて。(思い続けていたことが)叶うこともあるんだと思った出来事でした」と続けた。そんなCoccoの話を聞いた岩井は「ミステリアスですね。運命的」と不思議な縁に感慨深げだった。
長い撮影期間を共にした4人の間柄を思わせるように、終始、アットホームな雰囲気で進行。シーンの撮影日を思いだそうと、岩井が舞台上で自身の携帯を取り出してスケジュールを確認しようとし、綾野からツッコまれる一幕も。そして、進行役・綾野に残り3分の指示が出され、改めて登壇者があいさつ。岩井は「ようやく本当に完成しました。今日は大事な娘を嫁にやる日でもあります。観客の皆さんが“新郎”ということで、ふつつかな娘を末永くよろしくお願いします」と。黒木はこの日を迎えた幸せを噛みしめながら、「私たちみんなの映画を、皆さんで幸せにしてください」と作品を送り出した。
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