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1/13(金)公開の映画『そして僕は途方に暮れる』の完成披露試写会が開かれ、藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)、前田敦子、中尾明慶、香里奈、原田美枝子、豊川悦司、三浦大輔監督が登壇した。
2018年に上演された舞台を映画化した本作。藤ヶ谷演じる主人公の菅原裕一が、ほんの些細なことから恋人、親友、先輩・後輩、家族と、あらゆる人間関係を断ち切っていく逃避劇を描く。
完成した作品を見て、藤ヶ谷は「撮影は2年弱前。やっと皆様に見ていただけて、本当に嬉しい気持ちでいっぱい」と感慨深く話しつつ「俯瞰で見ることはなかなかできなかったんですけど、見てくださってる皆様が笑っていて。やっぱり”一生懸命な滑稽”って笑えるんだなと改めて感じましたし、テイク数をとにかく重ねたので『自分ってこんな表情、お芝居をしてたんだな』っていうのを改めて感じました。自分の新しい一面を監督に引き出していただけた」と語った。
前田は「戦い的には、舞台の時が自分の中では大変だったので」とコメントに、中尾が「舞台じゃなくて戦いですから!舞台の稽古も、撮影も、まぁなかなか終わらないんですから!(笑)」と助太刀すると、キャスト陣は一同大笑い。前田は「三浦さんは謝り上手な監督(笑)。みんな何も言えなくて、何テイクも重ねて」と笑いながら「監督のこだわりが本当に詰まっている作品になっていて。私は笑いながら楽しませていただきました」とコメント。中尾は「北海道の素晴らしいロケーションで撮影ができて、すごく素敵な作品を作ってくださったなとは思いますけれども……まぁ~(撮影が)終わらない!」と撮影の苦労を振り返り、笑いを誘った。
すると、今作の映画から参加した豊川も「まぁ、終わらない!(笑)」と中尾に続けてコメント。「藤ヶ谷くんとの2ショットのお芝居が多くて、大変だったけど楽しかった。三浦監督の異常なこだわりみたいなものが気持ちよくなる瞬間もあって…僕、Mなんですかね(笑)。(監督の)親みたいな気持ちになりました」と冗談を交えて話し、会場を笑わせた。
現場の大変さを語るキャストが続く中、見かねた藤ヶ谷が「撮影的にはニュアンスが大事ですもんね?」と振ると、「えっと、まぁそうですね」とうろたえる三浦監督。すると「聞いてました?(笑) 僕、フォローしたつもりだったんだけど」と藤ヶ谷の鋭いツッコミがさく裂。三浦監督は「(役者に)言うのは簡単なんですけど、体現するというすごく難しいことを実はやってもらっていて。そこは見落とさないで見てほしいです」とキャスト陣へ敬意を払った。また豊川、原田という豪華俳優との共演に、藤ヶ谷は「緊張ももちろんしましたし、刺激もたくさんいただきました。大先輩の2人と三浦組を戦い抜いたということを誇りに思います」と噛み締めながら語った。
豊川との共演の思い出を聞かれた藤ヶ谷は「ずっとこたつに入っていましたね」と解答。「なかなかOKが出ないので、15年分くらいずっとこたつでした(笑)」と話す藤ヶ谷に「ずっと入っていたので、休憩中もこたつにいました」と返して笑顔を見せた。
今回、藤ヶ谷と久しぶりに共演したという香里奈。「最初の共演は10代の時だったので、太ちゃんも尖ってましたし(笑)。今お互いに30代を過ぎて思ったほど年が離れてないと感じた。この間に太ちゃんが人として、役者としていろんな経験を積んできたのがお芝居も表れていて、本当に頼りになる座長でした」と称賛した。
ここまでの挨拶を聞いた三浦監督は「本当に素晴らしいキャストの皆様に囲まれて撮影できたことを改めて実感しました」と語った。
思い出について聞かれた藤ヶ谷は「舞台の時もでしたが、振り返ると楽しい思い出が……1つもなかったです(笑)」とコメント。「僕は楽しかったです」と話す三浦監督に、「どこが楽しかったですか?(笑)」と逆質問が。「1回、焼肉食べましたよね?」と監督の答えに、藤ヶ谷は「20分くらいでバーッと食べたやつですよね?きっと自分の口から出なかったということは、そんなに楽しくなかった…」と冗談交じりで返しつつ「でもお芝居をやるという意味では最高で、すごく楽しかったですよ」とフォロー。しかし「皆様、楽しかったエピソードをお願いします!」と藤ヶ谷が振ると、キャスト陣は一斉に無言に。「本当に皆さん申し訳ない」と三浦監督がタジタジになり、会場は笑いに包まれた。
撮影中の裏話として、前田が「たぶん無意識だと思いますが、監督がモニターの前でずっと(出演者と)一緒にセリフを喋ったり呼吸をしたりしていて、観察していて楽しかった」と暴露。藤ヶ谷も「前田さん演じる里美のシーンの時も、監督が自分の声よりキーを上げてセリフを言ってました」と重ね、三浦監督が「たまに僕の声が大き過ぎて『うるさい』って言われます(笑)」と解答。すると藤ヶ谷が「それがあっての『もう1回(やり直し)』っていうのもあったんですか!?」とツッコみ、息の合った掛け合いが。
また三浦監督の思い出のエピソードでは「クランクアップではしゃいだ。終わった瞬間に藤ヶ谷くんと抱き合った」と告白。すると藤ヶ谷が「ありましたね。これだけ(撮影が)過酷だったので、終わった瞬間に涙が出るのか、喜ぶのか、達成感があるのか、どういう気持ちになるかなと思っていたら、僕よりもテンション高く監督が飛び跳ねて!『やったぁー!』と僕に抱きついてきて」と暴露しながら、「そういうところが可愛げがあって、愛くるしい三浦さんです」と返し、信頼の深さを見せた。
舞台挨拶の後半では「今年、一番逃げ出したかったこと」をテーマにトーク。「ベランダでゴキブリ飛んできて、それ以来ベランダに出ていない」(前田)、「夜遅くまで飲みすぎて、帰って妻に『酔ってるの?』と言われたこと」(中尾)、「三半規管が弱くなっているのに、ディズニーランドで娘にコーヒーカップに3回誘われた」(豊川)など、プライベートでの出来事を告白。原田は微笑みながら「三浦組の現場(笑)」と解答すると、三浦監督が再び「すみませんでした(笑)」と謝罪し、「マジなトーンはやめてください!(笑)」と藤ヶ谷がフォローする一幕も。
香里奈は「2021年の大掃除」と解答。藤ヶ谷は「普段から、帰ってきた時に家が汚いと余計に疲れちゃうので、忙しい時ほど家を出る前にきれいにすることを心がけています」と返すと、香里奈が「窓拭きはやってる?サッシは?」と細かく詰め寄り「あぁ…やってないですね(笑)」と苦笑い。
そして藤ヶ谷は逃げたかったこととして「今日の舞台挨拶」を挙げ「僕をはじめ、楽しい思い出が一つもない方々が久しぶりに集まるじゃないですか。その中でスタッフさんは僕に『主演が盛り上げてください』とか好き勝手お願いしてきて(笑)。今、実際にやってみてすごく楽しくて良かったんですけど、直前はちょっと逃げ出したかったです」と冗談交じりに告白。「W杯もありますが、ぜひこの記事も大きく取り上げてください」とアピールした。
最後の挨拶では、三浦監督から「もしヒットしたら、2があるかも…」という発言が。それを受けて藤ヶ谷は「確かにポスターとか(タイトルの最後のスペースが)ちょっと空いてる(笑)。2が入るのかなと思うと…ねぇ」とタジタジになりながら「お芝居をやらせていただける環境、素晴らしいキャストとスタッフの皆様、支えてくださる全ての皆様がいて、お芝居ができたことが本当に幸せでした。きっと生きていく中で、逃げたいこと、逃げたこと、逃げられなかったことがたくさんあると思います。裕一が逃げて逃げて、その先どうなっていくかを、ぜひ見届けていただきたい。幅広く、長く愛される映画になったらうれしいです」と締めくくった。
映画『そして僕は途方に暮れる』は1/13(金)全国公開。