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島本理生の小説を映画化した『Red』の舞台挨拶が、東京・TOHOシネマズ日本橋で行われ、夏帆、妻夫木聡、柄本佑、間宮祥太朗、三島有紀子監督が登壇した。
周囲が羨むような夫と娘を持ちながら、かつて愛した男・鞍田秋彦との再会から不倫に溺れるヒロイン・村主塔子を演じた夏帆は、「三島監督とご一緒させていただいて、『過去に見たことがない顔を見せたい』と言われたので、どうしたらいいんだろうと。自分ができる範囲内でお芝居するのはよくないと思って、葛藤しました」と、演じる役に対しての苦悩を告白しつつ、「それだけ役に没頭できたことは、幸せだったと思います」と語った。
鞍田を演じた妻夫木は、作品について「お互いの不満とか、我慢してることの積み重ねがこういう状況を生んでしまうので、僕はそうならないよう気をつけたいです」とコメント。塔子の同僚・小鷹淳役の柄本は「(不倫を描いた小説や映画は)本当だったらやっちゃいけないこと、選択しちゃいけないことを疑似体験することで、すっきりして1日頑張ろうと思える。デトックス的な効果があるんじゃないかと。大人のキラキラしたデトックス映画です」と語り、観客の笑いを誘った。また、ラストに描かれた塔子の決断について、塔子の夫・真役の間宮は「負けたなと思いました」と、率直に感想を語った。
そんな3人の男性について、三島監督は「鞍田は業が深いけど純粋。こういう人と一瞬でも愛し合えたら幸せ。小鷹さんは色々見えていて客観的。一生、男友達でいたい人。真は育ってきた環境がああいう環境なので、非常にクレバーで経済的な物の見方が長けているので、一緒に仕事したいです」と語った。また、夏帆も「鞍田に惹かれる橙子の気持ちは分かります。刹那的だから魅力がある。塔子じゃなく私だったら、ずっと一緒にいると自分が自分じゃいられない危うさを感じます。小鷹さんは一番等身大でいられる。繕わず人間らしくいられる気はします。真くんは……」と言い澱みつつ「すごくいい夫じゃないですか。価値観のズレがあったにせよ、娘のことは思ってるし、橙子のことも彼なりに大切にしているので」と語った。
また、この日は夏帆に対して、妻夫木、柄本、間宮、三島監督からそれぞれ5本のバラの花束がサプライズでプレゼント。5本の赤いバラの花言葉が「あなたに出会えてよかった」ということで、それぞれから「あなたに出会えてよかった」と声を掛けられると、夏帆は「ここにいる皆さんと、この作品と出会えてよかった。自分にとっても間違いなくターニングポイントになる作品です」と感謝の気持ちを述べた。
最後に三島監督が「生きていると、後悔するだろうと思っていても、決断しないといけないこともあると思うんです。そういう時の自分を許しながら、豊かな人生を過ごしていただければ」と語り、舞台挨拶を締めくくった。
映画『Red』は、新宿バルト9他で上映中。