映画
映画『ラーゲリより愛を込めて』の完成報告会見に、二宮和也、北川景子、松坂桃李、中島健人(Sexy Zone)、桐谷健太、安田顕、瀬々敬久監督、平野隆プロデューサーが参加した。
第二次世界大戦後、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に不当に抑留された山本幡男の半生を描く今作。山本幡男を演じる二宮は、「この作品に参加することが決まった時はまだ嵐の活動中で、『落ち着いてから参加させていただければ』とお願いして参加することができました。まずは観ていただいて、というのが本音ですが、ここにいるメンバーだけでなく、収容所のメンバーそれぞれがベストを出すためにコンディションを整えてきたのが分かると思います」と力強くコメントした。
新谷健雄を演じる中島は、二宮との共演に「僕が心から尊敬する役者であり先輩である二宮くんの大作の一部になることができて、心から幸せに思っています」と感激を告白。「この作品は、個人的に僕たちの世代がこれから未来を引っ張っていく方々にちゃんと継承していかないといけない。責任感を持って、この作品に臨みました」と話した。
また、作品を見ての感想を問われ、中島は「時代は変われど、人を想う気持ちは変わらないとこの作品を見て感じましたし、今僕らの日常がどれだけ幸せなのか感じることができました。随所随所に愛が溢れていましたし、僕は二宮くんのお芝居に1カット1カット感銘を受けていたので、僕の中では印象に残っていますね」と絶賛。印象的なシーンは「すべてなんです!特出して言うとそこだけを贔屓しているみたいなので、全部です!」という後輩から熱烈な褒め言葉に、二宮は「…うっす!」と照れ笑いを見せた。
撮影を振り返っての話では、「過酷な日々ではありました」と二宮。「僕が一番しんどいなと思ったのは、野球をしているシーン。その前の日に大雪の予報が出ていて、朝収容所チームが駆り出されて、お芝居をする前に雪をどかすという仕事が始まったんですね。僕はそれがやりたくなくて、ギリギリまで部屋の端でいないフリをしていました(笑)」と裏話を明かすと、すかさず桐谷が「俺と健人はちゃんとやったよ!」、中島が「みんな『ニノ先輩どこかな?』って探してましたよ」とツッコまれ、二宮が笑顔を浮かべた。
桐谷は「本当に出演できてよかったと思いましたし、子供たち見てほしいと思いましたし…深く答えすぎると泣きそうになるんです」と感慨深くコメント。「収容所のみんなも本当に全力でやっていて、その日々を思い出すだけで胸が熱くなる。みんなのエネルギーで出来上がった作品なので、衝撃的な内容ですけど見てほしいです」とアピールした。
冒頭の挨拶で、作品の感想を「言葉にできない」と話した安田。「エンドロールまで席を立たないでもらいたい。心の奥底まで届く普遍的な愛の物語は、最後の二宮さんと北川さんが流木に座っている背中に集約されている気がします」と丁寧に話した。
印象的な撮影について、松坂は「もともと雪が降っていない設定のシーンがあったんですけど、当日に雪が積もっちゃって。それが逆に良かった。より感情が入りやすくなって、映画の神様が味方してくれたというか、いいシーンになりましたね」としみじみと話した。
山本幡男の妻・モジミを演じた北川は「自分のシーンというより、皆さんのシーンが心に残っている。野球や短歌を詠むシーン、みんなが歌うシーンとか、男性たちがみんな1つになって、大変な状況の中でも山本さんを中心に日常の小さな幸せや喜びを見つけようとするすべてに、笑ったし、泣きました。台本で読んでいましたが、『こんなにいいシーンだったんだ』と『こんなにみんなが山本さんのために動いてくれているんだ』と、妻としてうれしかったです」と作品の感想を熱く語った。
また「個人的な出来事なんですけど、人生で初めて丸刈りにしました」と中島。「プラス、人生で初めてふんどしを履いて。かなり寒いシーズンの川での撮影だったんですけど、瀬々さんも二宮さんもいるし負けられないと思って、待ち時間にジャンパーを着ずずっと裸で『俺は強いんだ』というアピールをしていたら、監督に『すぐ着ろ!』と怒られた」という裏話を告白。さらに「目の前の二宮くんにジャンパー着てくださいっ言ったら、『後輩がこんな寒がっているのに、俺が着ることはない』と、裏でもめちゃめちゃ映画スターでした!」と中島が称えると、二宮は「だって、素っ裸の人に『服着てください』って言われて、着れますか?(笑)」と返す一幕も。そして中島が「二宮先輩は丸刈りの先駆者なので、しっかり後継として二宮くんの映画でヘアスタイルでできたことは光栄でした」と二宮へ厚く敬意を伝えると、二宮は「新ちゃん(中島)が出てくると明るくなる。大変なこともありますが、映画の重さみたいなものを軽くしてくれたと思います」と返した。
話題は「撮影中、ほっこりしたエピソード」へ。二宮は「撮影期間中に1日だけ休みがあって東京に帰ったら、東京はすごい所でした」と回答。「現場は山と雪と収容所しかないので。(東京は)夜まで明るいし、温かいし、現場に帰ってみんなに『東京はすげーぞ!』と伝えた」と会場を笑わせつつ、「逆に言うと、僕はそこまで集中して作品の世界観に没頭できていたのかなと、その1日で知ることはできました」と自己の体験を語った。
「撮影期間中に誕生日を迎えた」という安田。「撮影中はそんなことを考える暇がなかったのですが、誕生日の数日後に中島さんと松坂さんと桐谷さんから『ささやかなんですけど』とケーキを買ってきて「Happy Birthday」を歌っていただいたのがすごく思い出深いです」とサプライズバースデーを明かしつつ、続けて「クリスマスの時は、中島さんが『ハッピークリスマス』と言って一人一人にプレゼントをくれて、めっちゃセクシーやなぁと思いました」とクリスマスの出来事も明らかに。中島は「少し華を添えただけです(笑)ちょっとでも楽しくなればいいなと思って。セクシーサンキュー!」と照れ笑いを浮かべつつ話すと、二宮も安田に「おめでとうございます!」と返し、会場を笑わせた。
最後は二宮が「辛くて悲しくて苦しくて、目を背けたくなるシーンがたくさんあると思いますが、だからこそその中にある笑顔や涙が胸に来るものになっていると思います。人間に大切なものを教えてくれる、何かがあると思っていますので、ぜひ劇場で確認していただければ」と締め括った。
映画『ラーゲリより愛を込めて』は12月9日公開。