映画
ポール・ヴァーホーヴェン監督『氷の微笑4Kレストア版』が6月16日(金)より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほかにて公開。作家の岩井志麻子、映画評論家/ライターの森直人による試写会イベントが行われ、30年以上の時を経てなお、人々を魅了してやまない『氷の微笑』についてふんだんに語られた。
■6月16日(金)公開『氷の微笑4Kレストア版』
エロティック・スリラーの金字塔と目される『氷の微笑』が、1992年の公開から30年の時を経て、4Kレストア版にて劇場にカムバック! 1992年公開当時は「一般映画制限付き(R)」として修正を施し公開されていたが、今回は無修正R18+にて公開される。全米で160億円を超えるボックス・オフィスを記録したほか、ここ日本でも、1992年の年間ランキング3位を記録する大ヒットとなった(一般社団法人日本映画製作者連盟発表)。
30年ぶりの劇場公開に寄せて、本作を再見した2人。岩井は「キャサリンが足を組み替えるシーン、アイスピックでの殺害シーンに気を取られていたが、再度観返したところ面白くてビックリ」、森は「ポール・ヴァーホーヴェン監督の変わらない演出力、語りの力が堪能できる」と絶賛。能力ある才女、”ヴァーホーヴェン・ウーマン”の原点として君臨する作家キャサリン・トラメル。その魅力は今も変わらず、岩井は「スクリーンにアップになっただけで”ワーっ”と思わせる、華のある素晴らしい存在」とキャサリンを演じたシャロン・ストーンの美しさを絶賛。同じ作家としては「あんな派手な作家見たことない」と語るも、「リアルと創作は全く別物。結婚相手にだったら堅実さを求めるだろうけれども、恋愛したい人にとっては”ヤバいけど面白い人”の方が心ときめきますよね」と、劇中で危険な恋愛関係に陥る刑事ニック(マイケル・ダグラス)とキャサリンのリアリティを感じられる関係についても言及。岩井も好きなシーンとして挙げた「覗き見」のシーンについては、森より『氷の微笑』に影響を与えた『めまい』を監督したアルフレッド・ヒッチコックによる『裏窓』からの引用が感じられること、その系譜で『氷の微笑』が昨年公開のパク・チャヌク監督最新作『別れる決心』にも影響を与えているという解説がなされた。今なお映画史に確たる遺伝子を残し続ける『氷の微笑 4Kレストア版』は6月16日(金)より全国の劇場で公開となる。
【ストーリー】
サンフランシスコの刑事ニックは、かつてのロックスター殺害事件の捜査に乗り出す。いくつかの不穏な痕跡から、当時のアリバイが不確かなキャサリンという作家を尋問するが、享楽的な彼女に次第に翻弄されていく。駆け引き、愛、そして新たに起こる不可解な事件の数々―。出口のない迷路にはまったニックが唯一頼れるのは、彼自身の本能だけだった…。
監督:ポール・ヴァーホーヴェン
出演: マイケル・ダグラス、シャロン・ストーン、ジョージ・ズンザ
配給:ファインフィルムズ © 1992 STUDIOCANAL