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早乙女太一の初主演ドラマ「封刃師」(テレ朝系)が、明日12日(土)にいよいよ最終回を迎える(ABC TVは13日(日)に最終回)。現代日本を舞台に、「刃」をテーマにした本格アクションが話題の本作。人の心の闇が作り出し、手にした者は魂を吸い取られ、むやみに殺戮を繰り返すという“穢刃(けがれやいば)”を、早乙女演じる駆(かける)が鞘を使って封印していく。翔(遠藤雄弥)ら仲間たちと穢刃を封印してきた駆が、最終話ではかつての師匠・悟堂(坂口拓)と対決へ。衝撃のクライマックスが待ち受けている…!?
脚本を手掛けるのは劇団☆新感線の中島かずき。今年に入って連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(NHK)や「ミステリと言う勿れ」(フジ系)への出演でも話題となった早乙女だが、信頼関係の厚い中島とのタッグを組んだ本作に掛ける思いは強いという。最終回を前に、早乙女と中島に作品への思いを語ってもらった。
中島 今回、ドラマだとお互いに舞台とは違った新しいものを探っていけると思い、太一くんにオファーしました。彼はずっと舞台で育ってきているので、やはり演技の安定感が違いますね。それにプラスして、映像だと細かい目の動きや肌の艶感も感じられる。この作品を通して、舞台より“今、そこに生きている人”という空気感を出しながらも、他の人と一線を画したバランスを見せる太一くんに新鮮さを感じました。
早乙女 ありがとうございます。かずきさんの書く話はいつもテンポ感があるのですが、編集が入る映像となると間の取り方も違ってくるので、なるべく自然に“そこにいる人”になるよう意識しましたね。
中島 「早乙女太一のアクションを世界に届けたい」と最初のコメントで出しましたが、太一くんのアクションはとにかく速くて美しい。日本刀って、シャープで円を描いて斬るときれいに見えるんです。その日本刀を体現するような速さと美しさを、太一くんは持っていると感じています。
早乙女 それこそ僕が殺陣を頑張るようになったのは、劇団☆新感線に出させてもらってからなんですよ。あの現場で学ばせてもらったことが大きいです。
中島 出会ったのが17~18歳の頃だったんですけど、「こんな人がいるんだ!」ってビックリしたよ。「彼ともっとやりたい!」って思ったから、何度も何度もオファーしているんですけどね(笑)。
中島 駆はミステリアスなようで不器用。僕が思う早乙女太一と近い感じかな(笑)。
早乙女 僕も演じながら、初めて劇団☆新感線の舞台に出た時の初心に返る感じがしましたね。当時の役って、いつも「謎の剣士」とかで(笑)。
中島 はははっ! 今回もまた「謎の剣士」だったね!
早乙女 はい(笑)。寡黙で闇を抱えている、という謎な人物に懐かしさを感じましたね。
中島 実はね、長くやっているしずっと見てるから、太一くんっていろんなことができるのは分かっていて、だからこそ「謎な感じを出したい」とは考えていたの。藤井(道人)監督とのやり取りの中で「早乙女太一にとって最初の主演ドラマだから、一番イメージの強いミステリアスな剣士をやりましょう!」って提案して。
早乙女 でも演じることに不安はありましたよ。当時の17歳の頃はとてつもなく闇深かったので、自然と闇を作ることができたんですけど、今はもう闇の部分がなくなってきたので(笑)。
中島 はははっ!
早乙女 僕は駆と翔の関係が好きですね。2人で1つというか、2人で成長してきた感じがある。いつも隣にいる存在。
中島 そうだね。今までは“孤高の”謎の剣士だったけど、今回はバディがいる。
早乙女 1人じゃないのは心強かったですね。
早乙女 殺陣は一人じゃ絶対にできないことだから、常にその時と相手とどうやるかを考えるのが面白い。舞台では相手は“人”ですけど、映像となると“人”にプラス“カメラ”と三者の殺陣になるんです。そこは初めてのチャレンジでしたね。仕上がった映像を見て「なるほど。この動きだと、こういうカットになるんだ」と、確認しながら仕上げていきました。
中島 改めて、撮影終わってから本当に痩せたね!
早乙女 撮影が終わった後に体重を計ったら6kg痩せていたんですけど、まだ一応キープしています(笑)。撮影で動くからおなかは空くんですけど、なるべく食べないように気をつけていました。
中島 それは役の上で太らないように?
早乙女 そうですね、やはり駆は闇を受けている人だから、その人が血色が良くてもおかしいなと思って(笑)。
中島 1ヶ月くらいの強行スケジュールで、本当にハードに朝から晩まで撮影してたもんね。最初にプロデューサーから「9話分、全部台本をください」とお願いされて、シーンを固めて一気に撮影して。夏の暑い時期に、感染症対策にも注意を払って撮影して、みんなで乗り切った感じでした。本当によくできたと思います。
早乙女 ゲストの方とアクションをやらせていただきましたが、毎回魅力的な人たちが来てくださるんです。監督と「相手を受け止める役だから、自分から攻撃するのではなく、相手をしっかり見て封印することを一番大事にしよう」と話していたので、どの敵に対しても単純な攻防だけではない、というのはお芝居としても意識していました。
中島 普段は「刀で斬って斬って斬りまくる」という役をよくやってもらっているからね。太一くんなら受け手としても面白くてカッコいいことをやってくれるんじゃないかと信じていました。最終回はこれまでとはまた違った、ガッツリと殺陣をしてもらうシーンも出てきますので、それもお楽しみ。
【番組情報】
ドラマL「封刃師」
テレビ朝日(関東) 3月12日(土)深2時30分~3時
ABC TV(関西) 3月13日(日)後11時25分~11時55分
※TVer、GYAO!で見逃し配信あり
※ABCオンデマンドで全話配信中