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空気を読まない、超マイペースで不思議キャラの刑事・糸村聡が事件を解決するドラマシリーズ「遺留捜査」(テレ朝系)。11年に連ドラとしてスタートして足掛け9年。今年2月のスペシャルドラマ以来となる最新作は、糸村がこだわる遺留物の“おもちゃ”から、ある母娘の胸に迫るドラマが紐解かれていく。主演の上川に見どころなどを聞いた。
――今回、スペシャルドラマの台本を読んで、どんな印象を抱きましたか?
“ザ・「遺留捜査」”がお届けできる作品だと思いました。現場に残された遺留品から、人々の思いを巡ってたどり着く一つの真実という、いつもながらのスタンダードな基本線を保ちながらも、今回盛り込まれた、これまでになかった色や仕掛けを楽しんでいただける1本になると思います。その色を一番もたらしてくださったのは、ほかならぬゲストの美村(里江)さんです。大づかみに言うと、とても強い女性を演じてくださったんですが、その強さの表現において、「遺留捜査」という作品にも、美村さんを長く見てこられたファンの方にとっても新鮮であろう、色の違うキャラクターとして演じてくださいました。詳細は申し上げるわけには参りませんが(笑)、特に、事件の真実が明らかになった時の美村さんに注目していただけたら、彼女のキャラクターの造形力を堪能していただけるのではないかと思います。
――その美村さんとフェンシングで対決するシーンが、見どころの一つにもなっています。
ドラマで扱うにはレアなスポーツですし、なぜ糸村自身がやるのかという疑問もありますが(笑)、彼のことなので何をやっても不思議ではないんです(笑)。それよりはまず『糸村がフェンシングをどういうふうに見ているのか』に気持ちがいきます。そこが糸村を演じる面白みの一つだとおもっていますので。糸村に関しては演じると同時に、僕が彼のそばにいて一挙手一投足を観察している感があります。
――フェンシングに初挑戦されていかがでした?
プロの方の突きを受けたのですが、その打突はとんでもなくて、思いも寄らない衝撃が襲い掛かってくるんです。教えてくださった選手が相当に手加減してくださっていることは承知しているんですが、全体重の乗った一撃が、先端7ミリぐらいの点になって「ドン!」と来る、その重さに驚かされました。今は手加減なさっているけれど、試合の場ではこれが本気で……と考えたら、とんでもない競技だと改めて思い知らされました。
――連続ドラマと、今回のようなスペシャルドラマの違いを、上川さんご自身はどう感じていますか?
誤解を恐れずに申し上げるならば、1時間の枠で描く連続ドラマと2時間いただいてお届けするスペシャルとで、やっていることは変わらないと思っているんです。より贅沢に時間を使って、どこまで詳細に描けるかぐらいの違いでしかないと。例えるなら、とあるお寿司屋さんのランチコースに行ったらとってもおいしかったので、ディナーに訪れてみたら更に堪能できたと、そのぐらいの感じでしょうか。お届けしている具材や技術は一切変わらないけれども、時間の長さとコースメニューの変化によって、同じ店をまた違ったふうに味わえる。そんな少し贅沢な今回の『遺留捜査』を、それでもいつもと変わらず気軽にお楽しみ頂けたら、それ以上の喜びはありません。
(C)テレビ朝日
「遺留捜査スペシャル」
10/3(木) テレ朝系 後8時~9時48分
出演/上川隆也、栗山千明、戸田恵子、甲本雅裕 [ゲスト]美村里江ほか
[あらすじ]京都・山科の邸宅で、大手メーカー“梶田重工”社長・梶田正彦(団時朗)が撲殺されているのが見つかった。糸村聡(上川隆也)たち京都府警“特別捜査対策室”のメンバーは、事件発生後に連絡がつかなくなっている長男と次男の犯行ではないかと推測する。やがて、科捜研研究員・村木繁(甲本雅裕)の鑑定の結果、現場の離れには“昭和48年”のアイテムがあふれていることが判明。さらに、 “後妻業”らしき謎の女・杉本宮路(原日出子)の影も浮上する。