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直情旅日記
時には日常の向うへまっしぐらが好きな人へ

[3]ベトナム・ハロン湾でパクチーを克服する

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 パクチー(香菜)が苦手でした。あの、1㎜のカケラが混入しただけで口腔内の和を一瞬で打ち砕く破壊的な葉っぱ。顔の筋肉が一斉にあらぬ方向に伸縮して、苦悶を隠しきれません。
 ですから、中学の同級生Sとベトナムのハノイに行ったときは、準備としてまず、ベトナム語で「パクチーを入れないでください」というフレーズを暗記したのです。

 ハノイから車で2時間半くらいの「ハロン湾」は、水面からぽこぽこ奇岩がはえている世界遺産。連日のハノイ散歩から気分を変えて行ってみることにしましたが、現地で手配する日帰りツアーはどれも1万円前後と予算オーバーだったため、自分たちで長距離路線バスを探して乗ることにしました。

 人に訊ねながらバスを乗り継いでたどり着いた大きなバスターミナル。長距離バスの切符売場に近づいた途端、現地のお兄さんたちにわらわらと囲まれてしまい、かばんを抱きしめて緊張します。客を取り合う彼らにあちこち引っ張られながら窓口に連行され、言葉が通じないままバイチャイ行きの片道300円弱の切符を買い、あれよあれよという間にマイクロバスに誘導されました。
 お客は私たちだけのところに、先ほどのお兄さんたちが乗り込んできてバスは出発。用心深いSは「こりゃ絶対やばい」と思ったそうですが、私は「こりゃ大丈夫」と思い、共通言語のない人懐っこいお兄さんたちと、数字で筆談したり、携帯やカメラで遊ぶなど、他愛のないやりとりをして楽しく過ごしました。わいわいお喋りしていても、路上に人がいれば走行中のドアをこまめにあけて「モンガイ行き、乗る?(想像訳)」と叫ぶ、大変働き者な若者たち。
 車窓からは、水田、畑、水牛に加え、たまらない雲が! この、立ち上がる感じが亜熱帯っぽくてすごくいい。

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<地上から立ち上がるハノイの雲>