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本日公開記念第1弾!『コンフィデンスマンJP プリンセス編』田中亮監督インタビュー<ネタバレあり>

古沢良太脚本、長澤まさみ主演の人気ドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇場版第2弾が完成。
マレーシアの豪華リゾート島を舞台に、ダー子(長澤)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)が、新たな協力者のコックリ(関水渚)と共にコンゲーム(信用詐欺)を仕掛けるストーリーだ。
連ドラから演出を手掛けてきた田中亮監督に、ゲスト俳優の撮影エピソードやファンが驚いたあのシーンの舞台裏を聞いた。

※作品内容に踏み込んだインタビューのため、ネタバレ気になる方は観賞後にお楽しみください。

メイン

──本作の演出において、特に気を付けていたのはどんなことですか?

田中:連ドラから変わらず2つのことを意識していました。一つは、古沢さんの脚本は掛け合いをテンポよく表現すると面白さが生きるので、通常の1.2~1.5倍のスピードで掛け合ってもらうこと。もう1つは、コメディだからこそ真面目に振り切ること。笑わせようとしないで真剣にやるからこそ、見ている人は笑ってしまう。僕は「近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」というチャプリンの言葉が好きなんです。

── 連ドラ、劇場版第1弾、スペシャルドラマと積み重ねて、長澤さん、東出さん、小日向さんの掛け合いには、さらに円熟味が出てきたのではないでしょうか?

田中:3人には既に「あ・うん」の呼吸が出来上がっています。撮影で印象的だったのは、赤星(江口洋介)との対決シーン。小日向さんがスタントマンも顔負けのやられっぷりを見せ、それでボルテージが一気に上がって、東出くんの動きも熱を帯び、長澤さん渾身の叫びがこだまする。お互いがお互いを高め合うような流れが美しかったですね。3人には「この人がここまでやるなら自分も」と呼応する感じが常にあって、アクションシーンは特にそれが顕著でした。

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──フウ家の執事・トニー役の柴田恭兵さんがかっこよかったですね。

田中:柴田さんはチャーミングな方で、現場でジョークを言ってくださるんです。ただ、僕らは最初、それを笑っていいものかどうか分からなくて……(笑)。途中からだんだん、実は面白い方なんだとみんなが気づいた感じです。柴田さんはシリーズを好きでいてくださったみたいで、ハジけるダー子さんたちを見て「(自分も)そっちがやりたい」とおっしゃりつつ、シブい演技に徹してくださいました。

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── ホテル支配人役の滝藤賢一さんは、「この人は偽物かな?」というような髪型で(笑)。

田中:滝藤さんの役は、一生懸命なのに空回りして、周りからすると笑える存在になっているという、コメディ的に重要な役でした。走り方やおじぎの仕方など、滝藤さんが現場で様々なアイデアを出して、想定を超える愛しい支配人に仕上げてくださっています。

── 濱田岳さんは風来坊のような画家の役を。

田中:濱田岳さんは、僕が助監督だった頃にドラマ「プロポーズ大作戦」(07年・フジ)でご一緒したことがあって。監督になってからは初めてだったので、お互いちょっと照れてしまいました。人気CMシリーズの主要キャラとしてすっかり国民的スターになったのに、ご本人はちっとも変わらず、“楽しい岳ちゃん”として現場でみんなに愛されて帰っていきました。

── 濱田マリさんは「ヤマンバ」という血も涙もないような役柄が意外でした。

田中:ヤマンバの出演シーンは物語序盤のエンジンになりました。イヤな役を引き受けてくださって、コックリを虐待するシーンでは、カットがかかった後に関水さんに「ごめんな、(私は)ほんまはええ人なんやで!」とおっしゃっていました(笑)。

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── そして、デヴィ夫人のことが、映画を観る前より好きになりました。

田中:役名がなんと「元某国大統領夫人」。劇中で身に着けているドレスやアクセサリーはすべてご本人の私物です。高級ブランドのスーツケースも、自ら3つもロケ地のランカウイ島までご持参くださいました。説得力の点で本物に勝るものはないですね。ちなみに、共演シーンの多い小手(伸也)さんは台本を読んで、夫人に似た雰囲気の人が来ると思っていらしたようで「本物来るんかい!」とびっくりされていました。

──まさかのベッド(上での)シーンも。

田中:デヴィ夫人は前向きに取り組んでくださって。「こういう衣装はどうかしら」とやや透け感のあるネグリジェ風のナイトウェアを、これも自前でご用意いただきました。劇中の夫人が髪をとかしているのも、ご本人のアイデアです!

 ── 最後に、ヤボかもしれないですが……。大富豪のレイモンド・フウ(北大路欣也)が、『ロマンス編』の舞台である香港にいるシーンについて、種明かしをお願いできますか?

田中:「『ロマンス編』の撮影時にすでに仕込んであったのか」と一瞬でも思ってもらえたらうれしいですね。実際には今回新たに撮影しました。香港滞在中のいつ頃に起きたことなのか、明確になっている方が面白いと思って、長澤さんたちには『ロマンス編』で香港に到着した日に着ていたトラックスーツを着てもらいました。『ロマンス編』の映像も一部使っています。こぼれ話になりますが、ダー子さんの髪が『プリンセス編』の方が長いので、精巧なカツラを用意することになりました。長澤さんは心配して「いっそアフロ(のカツラ)をかぶる方がバレないかな」と代替案も考えてくださっていたのですが、仕上がったカツラが見事で、一同わきました。「これはイケる、騙せるぞ」と。僕らなりのコンゲームでした。ちなみに、ロケ地は日本ですが、あのお店は、連ドラの2話でダー子が赤星に接触するマニラの酒場と同じお店を借りて撮影しています。よく見ると柱なんか一緒なので、確認してみてください(笑)。

取材・文/赤坂麻実

 

<作品情報>

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』
全国公開中
監督:田中亮
脚本:古沢良太
出演:長澤まさみ、東出昌大、小手伸也 / 小日向文世
織田梨沙、関水渚、瀧川英次、前田敦子
ビビアン・スー、白濱亜嵐、古川雄大、滝藤賢一
濱田岳、濱田マリ、デヴィ・スカルノ、石黒賢、生瀬勝久
柴田恭兵、北大路欣也
竹内結子、三浦春馬、広末涼子、江口洋介

  ©2020「コンフィデンスマンJP」製作委員会