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メンタルトレーニング
筋トレだけじゃダメだ、心トレしよう!という人へ

[5]集中力を高める「深呼吸」

みなさん、こんにちは。メンタルトレーニングコーチの大儀見浩介です。私の仕事はJリーガーをはじめ、トップアスリートや育成年代のスポーツ選手やアスリート、ビジネスパーソン、学校の先生や生徒、保護者の方々など、あらゆる人達の心理的競技能力向上のお手伝いをすることです。簡単に言えば、心を強くするコーチです。今回はメンタルトレーニングのスキルのひとつ「集中力」についての話をしましょう。

スポーツの現場で「集中しろ!」という言葉を聞くことがよくあります。また学校生活などでも、先生が生徒に、保護者が子どもに「集中しなさい!」と声をかける場面を見たことのある人も多いのではないでしょうか。
それでは質問です。集中とはなんでしょうか? 集中した状態とはどのような状態でしょうか? 日常的によく聞く言葉ですが、「改めて問われると言葉にするのは難しい」という人も多いのではないかと思います。

フランスサッカー協会の指導教本の中に、こんな一節があります。
「指導者が集中力とは何かを理解し、選手に集中させる方法を伝えられなければ、集中という言葉を使ってはいけない」
つまり、集中の方法を教えられないのに、「集中しなさい!」と言うことは、泳げない子どもを「泳げ!」と言って、プールに落としているのと同じなんですね。

集中とは『周囲の状況に惑わされず、自分のすべきことに意識が向いている状態』のことを言います。たとえば、面白い本を読んでいるときやゲームに夢中になっていると、話しかけられても気がつかないことがあります。また、電車に乗ってスマートフォンを操作していたら、目的の駅で降りるのを忘れてしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。

人間は好きなこと、楽しいこと、面白いことに没頭しているとき、自然と集中力が高まっています。一方で過度なプレッシャーや緊張、周りの視線などを感じると、集中が低下してしまうことがあります。オリンピックなどの大舞台で失敗してしまう選手には、観客の目や舞台の大きさに意識が向いてしまい、集中力を高められずに競技に臨んでしまったケースが見られます。

それでは、集中力を高めるためには、どうすればいいのでしょうか?
簡単な方法のひとつが「深呼吸」です。人間の心と呼吸は密接に関係しているので、呼吸を整えることで気持ちも落ち着いていき、集中が高まっていきます。またリラックス効果もあるので、緊張しているなと思ったら、積極的に深呼吸をしましょう。

深呼吸をするときのポイントは3つあります。1つ目が「先に息を吐き出してから吸い込む」ことです。緊張しているときは呼吸が浅く、短くなっていることがあります。「ハッハッ」という浅い呼吸をしているときに息を吸い込むと、苦しくなり過呼吸になってしまうことがあるので、まずは息をしっかりと細く長く、吐く息に意識を集中させて、口からスッーという音が鳴るように吐き出します。そして鼻からゆっくり、大きく息を吸い込みます。

2つ目が「胸を張り、顔を上げて行う」ことです。顔が下がると胸郭が圧迫されて、呼吸が窮屈になります。浅く短い呼吸の原因にもなるので、顔を上げて胸を張った状態で、深呼吸をしましょう。

3つ目が「ネガティブ要素を吐き出し、ポジティブ要素を吸い込むイメージを持つこと」です。身体の緊張をとりたいときは、「筋肉がやわらかくなる」といったように、具体的にイメージをしながら深呼吸をしてみてください。

深呼吸は、いつでも、どこでもすることができるテクニックです。不安だな、緊張しているな、集中できていないなと感じたら、積極的に深呼吸をして気持ちを落ち着けましょう。そうすることで、集中も高まっていくはずです。人間の集中力は長時間もちません。深呼吸を活用し、集中のスイッチを切り替えるようにしましょう。

 

<プロフィール>
大儀見浩介大儀見浩介(KOSUKE OOGIMI)

メンタルトレーニングコーチ。㈱メンタリスタ代表取締役。
サッカー選手として、東海大一中時代に全国優勝を経験。高校ではサッカー部主将として鈴木啓太(浦和レッズ/元日本代表)とプレーした。東海大学体育学部・高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング)を学び、現在はスポーツだけでなく、教育メンタルトレーニング、受験対策、ビジネスメンタルなど、様々な分野でメンタルトレーニングを指導している。テレビ・新聞・雑誌出演多数。著書に「C・ロナウドはなぜ5歩さがるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング」「ヤングアスリートのための36のメンタルトレーニング」「心理戦術が日本サッカーを進化させる」がある。妻はなでしこジャパンの大儀見優季。http://www.mentalista.jp