テレビステーション

ロボ
Loading
猫と暮らす
人間じゃない家族を大切にしている人へ

[10]猫の防災を考える

cat10

◆ 日頃から地域の情報を集めておくことが大事

地震、台風、「ゲリラ豪雨」や「爆弾低気圧」など、私たちはいつも、さまざまな自然災害のリスクと隣り合わせの生活を送っている。いざというとき、動物を連れてどうやって避難するか。猫でも犬でも小鳥でも、何らかの動物と一緒に暮らす人にとって、とても大きな心配事のひとつである。日頃からの「備え」の一環として、自分の住む市や町の広報誌やホームページで、ペットの防災に関する情報をチェックしておきたいところだ。環境省では、「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」という指針書を平成25年6月に発行している。これに沿ったかたちで、都道府県や自治体がそれぞれの管轄地域を対象にした防災計画のなかで、ペットの防災・救護に関する条項や方針を策定し、公開している。一般向けの動物救護マニュアルやガイドブックなどを用意している県や自治体もある。

環境省のガイドラインでは、災害時には飼い主が自分の飼育している動物を連れて避難する「同行避難」を原則としている。飼い主の気持ちとしては「ごく当然の原則」ではあるが、実際に「その時」が訪れたら、自分と動物の身の安全を確保してスムースに避難できるものだろうか。ペットを連れて安全な場所に移動する光景をぼんやりと想像できても、具体的に「何を優先に行動して、何と何を持って、どこを通ってどこに向かうか」まで頭の中でシミュレーションできている人は少ないのではないか。避難した後、場合によっては避難場所での一時的な滞在、さらには仮設住宅での生活を余儀なくされることもあるだろう。ガイドラインでは、そうした万が一の事態に備えた飼い主の心構えとして、日頃から、避難所の場所やそこに行くためのルートの確認、ペット用品の備蓄、キャリーバッグなど避難用品の常備を挙げている。

◆ 「いざという時」をイメージして対策を

筆者の家には猫がいる。猫の飼い主にとっての大きな問題は、「ウチの子は、そうそう人の思い通りに動いてはくれない」ということだ。犬と違って、「はいこっちにきて。ケージに入って。そこでちょっと待っていてね!」などとお願いしても、素直に応えてもらえることは稀だ。おそらく全て反対の行動に出ると思う。地震などの非常事態には、怖がって人の手の届かない場所に隠れてしまう可能性が高い。そうなると、人間が先に避難し、後で迎えにくるという選択を迫られる。そのときにはどうするか。筆者の考えつくところでは、①自分で逃げられる場所、落下物などから身を守れる場所の選択肢を広げておくために、家の中の各部屋、クロゼット、トイレなど、開けておけるドアはすべて開け放しておく。②いつもの餌場以外にも、あちらこちらにごはんと水を置いておく。風呂場の洗面器にも水を張っておく③迎えに来た時にすぐに運び出せるように、ケージを用意しておく、ということくらいか。そうだ、ケージの中にもごはんを入れておこう。不在の間に猫がそこに居ついていてくれると理想的だ。日頃から、ケージに慣れさせておいたほうがよいかもしれない。

どうにか愛猫を連れて避難所に辿り着いたとしよう。その場所に一定の期間とどまらざるを得ないときは、たとえそこにペットを保護する施設が併設されていたとしても、「避難場所では飼い主自身が責任を持って飼育を行う」ことが前提条件だ。数日分の餌と衛生用品などは、コンパクトにまとめて避難用品として常備しておきたい。猫は新しい環境に慣れるのに時間がかかるので、少しでも安心できるようにお気に入りの小さな座布団なども、持てるものなら一緒に持っていってあげたいと私は思っているのだが、かさばりすぎるだろうか。

もしもはぐれてしまった時には、どうやって探し出す?ああ、心配は尽きない。この点についてガイドラインでは、動物の個体識別用マイクロチップの埋め込みを奨励している。動物の個体識別番号(15桁の数字)を記録したチップを、体内に注入しておくというものだ。この番号は、飼い主の名前や連絡先などのデータとともに、「動物ID普及推進会議(AIPO)」のデータベースに登録される。迷子になっているところを保護されたなど、身元の特定が必要なときにチップのデータを専用のリーダーで読み取り、データベースと照合することで飼い主を特定できるのだそう。これは検討に値する。

備えあれば憂いなし。まだまだ調べたり検討したりせねばならないことが、たくさんありそうだ。(T.K)

 

参考:
災害時におけるペットの救護対策ガイドライン (環境省)
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506.html