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[5]獣医さんから教わる猫の健康管理3
高齢猫の敵「腎臓病」への対処のしかた

猫は、体の調子が悪くても、それを飼い主に言葉で伝えることができない。だから飼い主は、いつも猫の様子を注意深く見守り、病気の兆候があるならすぐにでも対処してあげねばならない。だが、なかにはその兆候を見極めるのが非常に難しい病気もある。たとえば腎臓病がその最たる例だ。罹患率が非常に高く、根本的な治療が困難と言われるこの病気に、予防策はあるのか。万が一愛猫が罹ってしまったとき、飼い主はどう対処したら良いのか。今回も、「人形町・猫の病院」の大串正先生に、同病院での事例なども含めお話を伺った。

P1040175大串正獣医師
1984年、日本獣医生命科学大学 獣医学部卒。
東京・恵比寿で父の開業した動物病院に15年間勤務した後、2003年に人形町に移り独立。
猫を中心とした小動物を対象に、一般内科、一般外科の診療を行うほか、飼い主が自宅でできる在宅治療の啓蒙にも力を入れている。口コミで評判を聞きつけ、都内の他地域や他県から愛猫・愛犬を連れてくる飼い主も多い。

人形町猫の病院

東京都中央区日本橋人形町2-7-2
☎03-3666-0100

静かに進行する腎臓病
 
猫は、代謝の過程で腎臓に負荷がかかりやすい体質の動物らしい。大串先生の病院でも、連れて来られる猫にもっとも多く見られる病気が腎臓疾患だという。
「高齢になるほど腎臓疾患の確立が高いですね。具合が悪そうだと言って当院に連れて来られる猫を例にとれば、10歳を超える猫の3~4割、15歳以上になると7~8割に腎機能の低下が見られます。他の動物病院の先生に聞いても、やはり同じだそうです」
 家猫の死因で最も多いのも、腎臓病なのだそう。腎臓病とは、どのような症状が出る病気なのだろう。この病気に罹った猫は、私たち飼い主に何らかのシグナルを送ってくるものなのだろうか。
「初期には目で見てわかるような症状が現れません。シグナルがあるとすれば、たくさん水を飲み、たくさん排尿するようになることくらい。そして、徐々に痩せていきます。ほとんどの場合、痩せる段階になってから病院に連れて来られるのですが、その時には既に腎臓の半分以上にダメージが広がってしまっています」
 腎臓病は、静かに進行する病気なのだ。これといった症状が現れないから、早期発見が難しい。
「腎臓は、血液を濾過して老廃物を膀胱に引き渡す役割と、まだ使える水分を体内に戻して再利用する働きを持っています。それがうまく機能しないと、水分だけが排泄され老廃物が血液の中に残ってしまう。ひどくなると、体がむくんだり、貧血を起こすようになります。ダメージを受けた部分は治療を施しても元には戻りませんから、残った部分だけに仕事をしてもらうことになってしまいます」
 老齢期に入って腎機能が低下し、老廃物が蓄積されることで、尿毒症になってしまうケースも多いという。

それぞれのステージで最善の治療を
 
万が一罹ってしまったらなら、できるだけ早く治療を開始して悪化を食い止めたい。だがどうやって発見すれば良いのか。飼い主としては、とてもはがゆいところだ。
「私は、猫が7歳~8歳を過ぎたら定期健診を受けていただくよう飼い主の皆さんに勧めています。血液検査で、血液の中の老廃物の値を測定するのです。早く発見できれば、ダメージを受けた部分が小さいうちに治療を始められます。食事療法や薬の投与で病気の進行を遅らせることができるのです」
 大串先生の病院では、飼い主が自宅でできる皮下点滴という治療法も導入している。
「人間の腎臓病の治療に、透析というものがありますね。皮下点滴は、その透析と同様の効果が期待できる治療法です。病院に通わなくても、自宅で飼い主さんの手で行うことができます。もちろん最初は病院でやり方を説明して、練習してもらいますけどね」
 腎臓病に侵されてしまったら完全治癒はないと聞けば、飼い主としては大きなショックを受けてしまう。だが決して諦めることはない。治療を続けながら元気に暮らしている猫も、たくさんいるのだ。大切なのは、獣医師にきちんと診断してもらい、病気のステージに合わせた適切な治療を受けること。そして何より、可能な限り早期に発見することだ。定期的な検査の受診を筆者からもお勧めしたい。(T.K)

健やかに大きくなってネ

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