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人間じゃない家族を大切にしている人へ

[4]獣医さんから教わる猫の健康管理2
猫にもデンタルケアを。長寿の猫ほど高まる腫瘍のリスク

水飲み福1

獣医学の進歩やキャットフードの普及による栄養状態の改善により、ひと昔前と比べると、猫の寿命が格段に延びているという。愛猫家にとって、実に喜ばしいことである。だがその一方で、長生きすることによって生じるリスクもある。意外に見落としがちなのが、猫の口の中の手入れだ。年齢を重ねた猫の歯に少しずつ蓄積する歯石が、思わぬ病気を引き起こすことがあるのだそうだ。前回に続き、「人形町・猫の病院」のベテラン獣医師、大串正先生に詳しくお話を伺った。

P1040175大串正獣医師
1984年、日本獣医生命科学大学 獣医学部卒。
東京・恵比寿で父の開業した動物病院に15年間勤務した後、2003年に人形町に移り独立。
猫を中心とした小動物を対象に、一般内科、一般外科の診療を行うほか、飼い主が自宅でできる在宅治療の啓蒙にも力を入れている。口コミで評判を聞きつけ、都内の他地域や他県から愛猫・愛犬を連れてくる飼い主も多い。

人形町猫の病院

東京都中央区日本橋人形町2-7-2
☎03-3666-0100

高齢猫の口内には歯石がたまる
 
大串先生はここ数年、猫の診察を通じて強く感じていることがあるという。
「口の中に腫瘍のできるケースが、著しく増えてきています。昔は口の中のできものといえば良性のイボなどが多かったのですが、いまは悪性の腫瘍が多い。腫瘍がなぜできるのか、はっきりとしたことは解明されていないのですが、私は歯石に原因があるような気がしています。それに、猫の寿命が長くなったことも関係しているのではないかと。長く生きれば、その分たくさんものを食べ、咀嚼の回数も多くなる。猫は人間のように毎日歯を磨くということをしませんから、少しずつ歯石がたまり、それによって歯肉に慢性的な刺激が加わることで、歯肉の粘膜に腫瘍ができるのではないかと」
 歯肉には毛細血管がたくさんあって血液が豊富に流れているので、病気の進行が早い。悪性の腫瘍、すなわち癌が発見された場合、前に早急な治療を施さねばならない。獣医師は可能な限り外科的に切除するという方法をとるが、歯槽骨(歯を受けている顎の骨)まで腫瘍が入り込んでいる場合は、放射線や抗癌剤治療ということになる。重篤な状態に陥らないためには、早期発見が重要なカギとなる。
「飼い主さんは是非、猫が6歳~7歳を過ぎたくらいから、口の中をよくチェックするようにしてください。歯石がたくさんついているようなら動物病院でとってもらうことをお勧めします。人間の歯医者さんと同じように、専用の器具で粉砕してきれいに取り除けますから」
 歯石は雑菌の温床なのだ。除去せずに長い間放置しておくと、口の中の病気だけでなく、心臓病の原因になることもあるという。
「歯肉の内部に雑菌が入り込むと、血流に乗って心臓に回ります。それが原因で、心臓の内側を覆っている心内膜に炎症が起きてしまうことがあるのです」

 ◆食後の水飲みが歯石予防になる
 
最も基本的な予防策は、歯石が付かないようにすること。大串先生によれば、食事の後に水を飲ませるのが効果的なのだそう。猫がぴちゃぴちゃと水を飲むと、歯の周りに付いた食べ物のカスが洗い流されるというのだ。でもどうやって?
 猫は、そのようにタイミング良く水を飲んでくれるものだろうか。
「猫の飲み水はたいてい決まった場所に置いたままになっていると思いますが、ごはんの時間の1時間くらい前に一旦下げてしまい、食べ終わってからもう一度出すと良いですよ」
 なるほど、食後にちょうど水が飲みたくなるように仕向けるというわけである。
「歯のかみ合わせがしっかりしている猫なら、ドライタイプのキャットフードを食べさせて、咀嚼するときの摩擦でそぎ落としてしまうという方法もありますね」
 ちなみに我が家では、ごはんをドライ中心にして、食後の水飲ませも実践中。猫用の歯磨き用品なども市販されているので、おとなしい猫ならそれを使ってケアしてあげるのもひとつの手だ。

水飲み福2

<ごはんを食べたらお水をたくさん飲みましょう>