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猫と暮らす
人間じゃない家族を大切にしている人へ

[2]愛猫と末永く幸せに暮らすための貯金箱

サバトラ猫の花
<サバトラ猫の、花(♀)。
小さな頃、捨てられていたのを拾われ、里子としてわが家にきました。今ではわが家の女番長。>

 猫の貯金箱を作ろうと思う。といっても、猫の形をした貯金箱を作ろうというのではない。愛する猫たちと安心して暮らし続けるために、少しずつお金を貯めておくのである。
 きっかけは、ネット上で拾い読みした、昨今のペット事情に関する諸々の記事である。ざっとまとめると、次のような話だ。
 ペットを飼う人の数は、年々増え続けている。少子化が進むなか、いまや日本では15歳未満の人口より犬と猫の数のほうが多くなっているとさえ言われる。その一方で、飼い主に捨てられ路頭に迷うペットが後を絶たない。捨てられたペットは多くの場合自治体に収容され、引き取り手がいなければ最終的には殺処分される。殺処分される犬や猫の数は、全国で年間数十万頭(!)にものぼるのだそうだ。野良犬・野良猫化した後に繁殖する数を含んでの数字であろうが、いずれにせよ元をたどれば人間の傍に寄り添って暮らしていた、愛されるべきペットたちである。あまりにも悲しい。

 思えば、わが家の猫をかかりつけの獣医さんのところに連れて行くと、いつもペットの里親募集の張り紙を目にする。その多くは、捨て猫を見つけて一時的に保護しています、どなたか育ててあげられないでしょうか、という内容だ。
 心やさしい人々が捨てられた犬や猫を家に連れ帰り、里親を探しているわけだ。だがそうしている間にも、心ない人々がまたどこかで動物たちを捨てていく。安易に引き取った里親が、やはり飼いきれなくなって手放してしまうこともあるそうだ。あってはならぬイタチごっこ的構図。なんとかならないものだろうか。
 ―― 動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(以下「終生飼養」という。)に努めなければならない――
 これは、昨年改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」の第7条-4である。飼い主が果たすべき責務として「終生飼養」が盛り込まれたことで話題を呼んだ条文だ。

 ペットは人に、癒し、ぬくもり、心の安らぎを与えてくれる。
 人はペットに、毎日のごはんと安心して暮らせる場所、そして愛情を与える。
 相互関係が成り立っていると言えば言えるけど、この関係は、動物の本意ではまったくないはずだ。人間側は、自分の意思で動物の命を預かるのであるから、最後までその命に責任を持って然るべきだろう。
 でも“動物がその命を終えるまで適切に飼養する”のは、実はとても大変なことである。どんなに忙しくても、疲れていても、いつも通りに世話をし続けねばならない。お金だってかかる。それを承知で最後まで面倒を見る自信と覚悟がなければ、始めから飼うべきではない。それに尽きるのだと思う。

 では、わが家はどうか。あらためて自問自答してみた。
 これまで、長年猫たちと生活を共にしてきた。自分と妻の猫好き度からして、これから先も、年をとってもずっと彼らと暮らし続けていくと思う。飼い主としての責任は果たしてきたつもりだ。これからもずっと面倒を見ていく覚悟である。でも、やむを得ず手放さねばならぬ事態が起こらないとも限らないではないか。仕事を失ってごはんを食べさせられなくなったらどうする?夫婦ともに病気になったら?そしてずっと後、最後の最後には、どうするのだろう?すごく難しい問題だ。実のところ、考えたくない話でもある。
 人と暮らした猫は、ある日突然飼い主が自分の前から姿を消したら、ひとりで生き続ける術を知らない。ならば、その時が来る前に、何らかの手立てを整えておく必要があるのではないだろうか。預けられる施設を探しておくとか、信頼できる人にお願いしておくとか。いやいやそんな先のこと、どうなるかわからない、今からどうしようもないではないか・・・。
 などと考えあぐねた末、“終生飼養”をまっとうするために必要不可欠なのは、いざという時のための資金だ、という結論に達した。そうだ、今できることは、少しずつでも猫のための貯えを作っておくことではないか。
 で、冒頭の「猫の貯金箱を作ろう」というアイデアに思い至ったわけである。

貯金箱
<本来は小物入れ。益子の陶器市で見つけました。>

 さて、貯金箱は用意したものの、この中にきちんとお金を貯めていくためには、何か別の出費を抑えなければなるまい。ん~。これを機に、タバコやめようかな。今のタバコ代は、1箱430円。3日で2箱のペースで吸っているから、1か月あたり8600円の出費だ。この金額をタバコの販売機に入れるかわりに貯金箱に入れ続ければ、年間10万円以上貯まる計算になるではないか。猫の“年金保険”に加えて自分の健康維持にも役立つ、一石二鳥のアイデアではないか!
 「言うのは簡単よね~」横で昼寝をしていた花が薄目を開け、疑わしそうな眼差しでこっちを見ている・・・。 (T.K)