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フランスの台所から
洋風料理のベースはやっぱりフランス食文化と思う人へ

[8]ノエルとチョコレート

フランスでは12月になると、スーパーを中心にあらゆる商店でさまざまな種類のチョコレートがお店に並びます。ノエル(Noël)はフランス語でクリスマスのことで、フランス人にとってクリスマスとチョコレートは切っても切り離せません。フランス人はチョコレート好きで知られています。ドイツやスイスよりも消費量は少ないものの、日常生活の中でちょっとリッチな気分になれるチョコレートは、国の経済状況が悪くても売上が落ちなかったほどです。

そしてこのクリスマスの時期、フランスではチョコレートをプレゼントする習慣があります。私がパリの大学に通っていた頃、12月最後の授業で小さなチョコレートを学生に配る優しい先生もいたほどです。チョコレートをこよなく愛するフランス人を象徴する行動だなあ、とこの季節がくると感じていました。

Mendiantフランス人に人気があるのはビターチョコレートなのですが(年間売上の半分を占める)、チョコレート菓子の種類は豊富です。12月のクリスマス時期と言えば、丸型に薄く延ばしたチョコレートの上にナッツとドライフルーツをのせた「モンディアン(またはマンディアン)」が挙げられます。私が主催するアトリエの10月のメニューにもデザートとして取り入れたのですが、日本でも取り扱うお店が増えたようで、すでに馴染みのあるチョコレートという印象を受けました。

ところでこの「モンディアン」の語源ですが、「托鉢修道会」のことを指します。托鉢しながら修行する、フランシスコ会、カルメル会、ドミニコ会、アウグスチノ会の4つの修道会のことです。チョコレートの上にのせられたドライいちじく、ヘーゼルナッツ、アーモンド、レーズンの色が、それぞれの修道会の服装の色(灰、茶、白、濃紫)を表現しているのです。

最後に、今年フランスの雑誌やインターネットで話題になったチョコレートのブティックをご紹介したいと思います。フランス料理の重鎮アラン・デュカスのお店で、その名は「ル・ショコラ・アランデュカス・マニュファクチュール・ア・パリ(Le Chocolat Alain Ducasse Manufacture à Paris )」(長い名前ですね)。
「マニュファクチュール」には、「職人の手仕事で製品を作る製造所」という意味があります。カカオ豆の焙煎からすべての製造工程がこのブティック内で行われています。フランスの料理雑誌「Elle à Table」でも取り上げられ「Beans to bar」と表現されていました。チョコレート職人が自らカカオ豆の焙煎を行い、すべての工程を一貫して行うチョコレート製造方法のことを言います。

お店の場所は、パリ11区のバスチーユ広場からペールラシェーズ墓地を結ぶ「ロケット通り」にあります。イメージとしては「シックな界隈」とはほど遠い、若いアーティストがたくさん住んでいて、劇場が多くカフェ・バーに人が溢れて夜も賑わう地区です。またこの界隈には、マニアックなカメラ屋さんや家具の修理工房が多いので、そんな地区だからか「マニュファクチュール」のイメージがしっくりくる印象です。
HP:http://www.lechocolat-alainducasse.com/

「チョコレートの国」フランスに旅行の際には、スーパーのチョコレートからアラン・デュカスのチョコレートまでぜひお試しください。

 

<プロフィール>
藤井綾藤井綾(ふじい・あや)

2002年5月、高校卒業後、フランスのパリへ渡る。パリ第10大学の美術史・考古学学部に入学・卒業。その後、国立ルーブル学院に編入。
学業と並行して、パリ・オペラ座地区にある地元密着型のカフェで働き、フランス人が普段食する料理や食物、それにワインに対する興味・関心を深めていく。
2011年9月に日本に完全帰国。2012年1月より、滞在中に培ったフランスの日常的な料理を紹介するアトリエ(料理教室)「Atelierフランスごはん」を開始。
2013年9月、FUJII LABEL(http://fujii-label.com/index.html)として活動スタート。
ELLE ONLINE(エル・オンライン)にて、ブログ(http://blogs.elle.co.jp/parisgohan/)を執筆中。