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フランスの台所から
洋風料理のベースはやっぱりフランス食文化と思う人へ

[6]フランス人とジャガイモ

パリで暮らしていた時、私のアパートの最寄り駅はメトロ3番線のペール・ラシェーズ(Père-Lachaise)でした。この、墓地で有名なペール・ラシェーズから西へ2駅進むとパルマンチエ(Parmentier)という駅があります。この駅のホームには、ある人物についての歴史がイラストや人物像とともに紹介されています。

その人物とは、18世紀のフランスの栄養学者アントワンヌ・パルマンチエ(Antoine Parmentier)。フランスが食糧難だった当時、ジャガイモを栄養食として提案して、飢えていた国民の食生活に取り入れた人物です。多くのフランス人は「パルマンチエ」と聞くと「ジャガイモ」を連想するほどです。

<アッシ・パルマンチエ(FUJII LABEL©)>

<アッシ・パルマンチエ(FUJII LABEL©)>

そのパルマンチエ氏は料理名にもなっています。「アッシ・パルマンチエ」と言って、牛ひき肉にジャガイモのピュレを重ねたグラタンです。フランス人から愛されている家庭料理で、多くのカフェやビストロの定番ランチメニューになっています。

<ジャガイモのレシピ本>

<ジャガイモのレシピ本>

ヨーロッパの他国々の人たちにも共通なのかもしれませんが、ジャガイモはフランス人の食生活にとって欠くことのできない野菜の一つです。本屋の料理本コーナーには、ジャガイモを使ったレシピだけを集めた本も売っています。料理方法は山ほどありますが、フランス人にとって基本的であり食生活に欠かせないジャガイモ料理のほんの一例を挙げてみましょう。

1. フリット
「フライドポテト」のことです。たとえば牛ステーキに添えられて出される「ステック・フリット」は、日本にあるフレンチレストランでもお馴染みです。また、ムール貝の白ワイン蒸しに必ずセットで出されます。パリにある多くのカフェやビストロは冷凍食品を使っているようですが、中には「自家製フライドポテト(Frites maison)」とメニューに掲げて、お店の「売り」にしている所もあります。

2. ピュレ
一般的に「ピュレ」とは、柔らかく茹でた野菜をバターや生クリームと一緒につぶし、それを裏ごしして、なめらかなペースト状にしたものです。ジャガイモのピュレは、ブッフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮)やコック・オ・ヴァン(鶏肉の赤ワイン煮)に添えられ、ソースとの相性が抜群です。スーパーにはこのピュレを簡単に作れるインスタントタイプも売っています。温めた牛乳で粉状になったピュレの素を混ぜれば、あっという間に出来上がり。フランスのお土産に喜ばれるかもしれません。

3. ガレット
ブルターニュ地方のそば粉を使ったクレープを連想するかもしれませんが、「薄焼きにした料理」全般を「ガレット」と言います。ジャガイモのガレットは千切りにしたジャガイモと調味料を合わせ、フライパンで薄焼きにしたものです。表面がカリっと焼き上がり、ビールのおつまみにぴったり!(後にレシピをご紹介しました)

4. グラタン
「Gratin Dauphinois(グラタン・ドフィノア)」はジャガイモのグラタン料理の中では一番シンプルな料理と言えます。薄切りにしたジャガイモをグラタン皿に並べ、生クリームと牛乳をかけ、オーブンで焼いた料理で、ナツメグとにんにくの香りがアクセントになっています。

その他、ヴィシソワーズ(ジャガイモのポタージュ)など、ジャガイモ料理はいろいろです。冷凍食品のバリエーションも豊富で、フランスのスーパーにはたくさんの種類の商品が並んでいます。
ジャガイモが大好きなフランス人の家庭で作られているジャガイモ料理を日本の食卓に取り入れてみるのはいかがでしょうか?

<ジャガイモのガレット(FUJII LABEL©)>

<ジャガイモのガレット(FUJII LABEL©)>

レシピ
ジャガイモのガレット

材料1枚分(2人分)
ジャガイモ(男爵サイズ): 1個(約150g)
パルメザンチーズ:小さじ1
オリーブオイル:大さじ1
塩・コショウ:少々

1. ジャガイモの皮をむいて、万能スライサーなどで千切りにする。
2. 千切りにしたジャガイモに、塩コショウ、パルメザンチーズを入れてよく混ぜる。
3. フライパンにオリーブオイルをひいてよく熱する。準備したジャガイモを入れて、箸で全体が平らになるように整える。
4. 蓋をして弱火で5分焼き、ひっくり返して反対の面も同様に蓋をして5分焼く。
5. 最後に蓋を取り、火を強火にしてしっかり焼き色がつくまで表面をカリッと焼く。
6. まな板に移して切り分けてできあがり。

 

<プロフィール>
藤井綾藤井綾(ふじい・あや)

2002年5月、高校卒業後、フランスのパリへ渡る。パリ第10大学の美術史・考古学学部に入学・卒業。その後、国立ルーブル学院に編入。
学業と並行して、パリ・オペラ座地区にある地元密着型のカフェで働き、フランス人が普段食する料理や食物、それにワインに対する興味・関心を深めていく。
2011年9月に日本に完全帰国。2012年1月より、滞在中に培ったフランスの日常的な料理を紹介するアトリエ(料理教室)「Atelierフランスごはん」を開始。
2013年9月、FUJII LABEL(http://fujii-label.com/index.html)として活動スタート。
ELLE ONLINE(エル・オンライン)にて、ブログ(http://blogs.elle.co.jp/parisgohan/)を執筆中。