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フランスの台所から
洋風料理のベースはやっぱりフランス食文化と思う人へ

[3]アペロ文化

« On prend l’apéro ce soir ? » (今夜、アペロしない?)。
フランスで生活していると「アペロ」に誘われることがあります。アペロは「アペリティフ」(食前酒)の略で、食事の前に軽いおつまみと一緒にビールやワイン、またはトマトジュース等を友人や家族と共に気軽に楽しむ習慣です。
ラテン語の”aperire”(開く)が語源であり、「食欲を高める(開く)」という意味だそうです。遠慮のない雰囲気でアペロを楽しむと食欲増進、食事も一段と進みます。

フランス人と付き合う中で、アペロはさまざまなシーンに登場します。友人宅にて夕食に招待されると、食事の前にまずアペロ。それからお腹が空いてきたら食事をする、という流れです。
カフェでアペロする習慣も欠かせません。仕事が終わった後、帰宅する前に職場の同僚や友人と一緒に近所のカフェで軽く立ちながら一杯を交わす光景は、フランスではお馴染みです。それぞれのグラスが空くと帰宅するか、または「もう一杯?」と誘い、気の向くままにアペロの時間は続きます。
また最近、仏新聞ル・フィガロの記事で「金曜日のオフィスでのアペロがごく普通になる」という記事を目にしました。会社内でアペロすれば、同僚との雰囲気も良くなるし、何よりカフェに行くよりも安上がりなのが嬉しい、とのこと。出費に敏感なフランス人に好まれて広まっているようです。

DSC_4259アペロの定番にはアニス(香草)のお酒「パスティス」がありますが、薬草のような独特な香りのために、好き嫌いがはっきりします。オススメは、白ワインをカシスのリキュールで割った「キール」、またはビールを桃のリキュールで割った「ビエール・ペッシュ」です。
日本では、サントリーの「ルジェカシス」や「ルジェペシェ」等が購入可能です。作り方は、カシスとよく冷やした白ワインを1:5で割るだけです。桃リキュールとビールは、1:10です。
ノンアルコールならセロリソルト(セロリ種の粉末と塩を混ぜたスパイス)、レモン果汁、タバスコを加えたトマトジュースは疲れを癒してくれるし、食欲も増進します。ちなみに、セロリソルトはハウス食品の「GABAN」シリーズで販売しています。

フランスの家庭の台所には、いつでも簡単なアペロ料理が出来るように、オリーブやクラッカー、タプナード(オリーブのペースト)等が常備されています。アペロには、基本的にオリーブやナッツ類等、手軽なものが定番ですが、ちょっと一手間かけたアペロ料理を出すこともあります。フランスの本屋の料理本コーナーでは、さまざまなアペロのレシピ本がずらりと並んでいて、アペロ料理のバリエーションを広げたい人の多さが良く分かります。

日本でも最近、アペロ料理はお洒落なおつまみメニューとして人気があるようです。フランスの家庭料理を紹介している私のアトリエ(料理教室)では、2年間で2度もアペロ料理を取り上げました。たとえば「ニース風ブルスケッタ」は、手軽にできるので下記にご紹介します。

日本ではなじみの薄い「アペロ文化」ですが、今週末、家族や友人をアペロに誘ってみはいかがでしょうか。

 

ニース風ブルスケッタ(Bruschetta à la niçoise)

ニース風ブルスケッタ材料(5人分)
バゲット  :半本
ケッパーの酢漬け :小さじ1
トマト(中)  :1個
セロリ   :10cmほど
シーチキン  :1缶
オリーブの実  :10g(6粒程度)
アンチョビ  :2枚
赤玉ねぎ  :1/4個
にんにく  :1片
コショウ  :少々

① ケッパー、種を取り除いたトマト、セロリ、オリーブ、アンチョビ、赤玉ねぎをみじん切りにする。
② ボウルに①とシーチキンを入れ、コショウをまぶしてよく混ぜる。
③ 薄く切ったバゲットをトースターで焼く。
④ 半分に切ったニンニクの断面を焼いたバゲットにこすりつける。
⑤ ②の適量をバゲットにのせる。

 

<プロフィール>
藤井綾藤井綾(ふじい・あや)

2002年5月、高校卒業後、フランスのパリへ渡る。パリ第10大学の美術史・考古学学部に入学・卒業。その後、国立ルーブル学院に編入。
学業と並行して、パリ・オペラ座地区にある地元密着型のカフェで働き、フランス人が普段食する料理や食物、それにワインに対する興味・関心を深めていく。
2011年9月に日本に完全帰国。2012年1月より、滞在中に培ったフランスの日常的な料理を紹介するアトリエ(料理教室)「Atelierフランスごはん」を開始。
2013年9月、FUJII LABEL(http://fujii-label.com/index.html)として活動スタート。
ELLE ONLINE(エル・オンライン)にて、ブログ(http://blogs.elle.co.jp/parisgohan/)を執筆中。