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フランスの台所から
洋風料理のベースはやっぱりフランス食文化と思う人へ

[1]三つの基本調味料について

日本の台所には、醤油や味噌といった和食に欠かせない調味料があり、フランスの台所にも普段の食事に欠かせない調味料が常備されています。フランスで10年間を過ごした筆者の食生活の経験を基に、現地の台所から見えてくる等身大の食文化を紹介していきたいと思います。
第一回目は調味料です。フランスの一般的な家庭の台所に必ずあるオリーブオイル、ワインビネガー、マスタードを、意外と知られていない日本の食卓での使い方も含めて紹介したいと思います。

南フランスのプロヴァンス地方はオリーブ栽培が非常に有名です。パリからニースやマルセイユなどの南仏へ電車で向かうと、たくさんのオリーブ農園を通り過ぎます。オリーブオイルを選ぶポイントとして良く知られているのは、「エキストラバージンオイル」と「その他のオイル」があります。それに加えて、あまり認知されていないものの重要なポイントとして「コールドプレス製法」で製造されたかどうかを挙げることができます。大抵の場合、商品ラベルにフランス語で「Extrait à froid」、または英語で「Cold Pressed」と書かれています。30℃以下の低温でオイルを搾油するこの製法では、オイルは少ししか搾れませんが、オリーブの香りがしっかり残るジュースのような新鮮なオイルを抽出することができます。

サーモンマリネ

<サーモンのマリネ>

このような高品質のオリーブオイルは、加熱しない生食用です。たとえば、お魚とオリーブオイルを組み合わせる「魚のマリネ」は手軽に日本の食卓に取り入れられる料理です。スーパーで売っているお刺身用のサーモンや、鯛、ブリなど、生で食べられるお魚を薄切りにします。オリーブオイル、レモン果汁、塩こしょう、バジルやシソなどのハーブのみじん切りを散りばめると、日本のお刺身とは違う、爽やかで手軽なフランス料理になります。

次は、日本でいう「米酢」のような存在のワインビネガーです。赤または白ワインビネガーがよく知られていますが、柑橘類やラズベリーなどのベリー系の果物類を加えたものもあり、その種類は多岐にわたります。それぞれの特徴に合った用途がありますが、赤か白を常備していれば基本的には何にでも使えます。ビネガーは、主にドレッシングの材料として使われますが、唐揚げなどの揚げ物料理のレモン代わりにもなります。軽く一振りすれば、普段の揚げ物も、ワインとの相性が一段と良くなります。

トマトの簡単サラダ

<トマトの簡単サラダ>

また、トマトを輪切り、または半月切りにしたものをお皿に並べ、オリーブオイル、ワインビネガー、塩・こしょう、バジルやシソなどのお好みのハーブを散らすと、南仏のカフェで出てくるような、酸味が爽やかなトマトの簡単サラダの出来上がり。

最後のマスタードですが、主にブルゴーニュ地方とノルマンディー地方のマスタードがあります。ブルゴーニュ地方のものは、エスビー食品の「マイユ・ディジョンマスタード」が大手スーパーならどこででも数百円で販売されています。一方、日本ではほとんど知られていませんが、ノルマンディー地方のマスタードは、特産品であるリンゴを使った古くから伝わる伝統製法が有名です。FUJII LABELの「ノルマンディー・マスタード」は、原材料にシードルビネガー(リンゴ酢)を使った、リンゴの風味が豊かなマスタードです。

揚げ物とマスタード

<揚げ物とマスタード>

フランスでは、マスタードがとても食卓に定着しています。日本でのマスタードの食べ方は、ソーセージにつける粒マスタードがお馴染みだと思いますが、フランスではペースト状が主流でいろいろな料理に使われます。カフェやビストロに行くと、塩とこしょう、それと小さなポットに詰められたマスタードの3点セットが各テーブルに必ず置いてあります。肉、魚共に相性が良く、好みの分量を添えて一緒に頂きます。和食との相性もよく、トンカツに練りからしの代わりにマスタードを少し添えたり、温野菜(ジャガイモ、ごぼうやレンコンなどの)につけたりすると、とても美味しく頂けます。また、サンドイッチに使うマヨネーズの代わりにマスタードを使えば、風味が香るサンドイッチの出来上がりです。

フランスの食材は、使い方ひとつで日本の食卓にも驚くほどよく馴染みます。お肉やお魚、そして野菜の種類も豊富にある日本だからこそ、フランスの食材をもっと身近に楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

<プロフィール>
藤井綾藤井綾(ふじい・あや)

2002年5月、高校卒業後、フランスのパリへ渡る。パリ第10大学の美術史・考古学学部に入学・卒業。その後、国立ルーブル学院に編入。
学業と並行して、パリ・オペラ座地区にある地元密着型のカフェで働き、フランス人が普段食する料理や食物、それにワインに対する興味・関心を深めていく。
2011年9月に日本に完全帰国。2012年1月より、滞在中に培ったフランスの日常的な料理を紹介するアトリエ(料理教室)「Atelierフランスごはん」を開始。
2013年9月、FUJII LABEL(http://fujii-label.com/index.html)として活動スタート。
ELLE ONLINE(エル・オンライン)にて、ブログ(http://blogs.elle.co.jp/parisgohan/)を執筆中。