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主演・井ノ原快彦「特捜9 season4」制作裏話インタビュー(WEB限定)

テレビ朝日系「特捜9 season4」の大川武宏ゼネラルプロデューサーに、今シーズンの見どころからキャスト陣の裏話&制作秘話を聞きました。

                       (取材・文/伊沢晶子)

特捜9ポスター

■4年目にして、前代未聞のチャレンジ回が登場

――シーズン4を制作する上でのテーマを教えてください。

 これまでは1話完結でしたが、今回はそれに加えて、連続ドラマとしての基本に立ち返えったドラマ作りをしています。例えば、1話で起こった出来事が3話(4/21㊌放送)に影響を及ぼし、また次の話に関わるというように、最終回までつながる連続性を重視しています。

 昨年の緊急事態宣言中、「警視庁捜査一課9係」シーズン1の1、2話を傑作選として放送しましたが、それが特捜班の原点を振り返る形になりました。たくさんの方が見てくださり、「特捜班メンバーって、こんな出会い方だったの?」という反響がすごく大きかったんです。青柳(吹越満)は最初こんなにデキる男だったのかとか、村瀬(津田寛治)は第一印象が嫌なやつだなとか(笑)。“9係”から数えると15年になりますが、その変遷を同時体験できるようなところが、シリーズの面白さだなと再認識しています。そんなこともあり、今シーズンでは、キャラクター描写や物語のつながりを強調してみようと考えました。

――今回は「何も起こらない特捜班の一日」を描くという異色の回もあるとか?

 事件が動く一方で、“警視庁の日常”を描くという回はあります。刑事たちが、捜査以外で普段どんなふうに過ごしているのかを描くというのは、シリーズとしてチャレンジになると思います。ただ、構想段階で「まったく何も起こらず、特捜班が喫茶店でおしゃべりしているだけ」という展開はさすがに見送りましたが(笑)、事件発生からドラマが始まる、いつもの展開とは違うストーリーになるので、楽しみにしていてください。

――そのアイデアは、どのように生まれたのですか?

 井ノ原(快彦)さんや出演者の方々からの提案です。皆さん、完全に自分たちの中に役が入っているので「自分たちだったら、事件がなくても楽しいものができる」という自信があるんです。視聴者の方に「事件はいつ起こるんだ?」と思わせながら、限界まで“日常シーン”を引っ張ります(笑)。

――芸達者な俳優たちの細かい演技まで見逃せないのが「特捜9」の面白さでもあると思いますが、この作品ならではの脚本作りのポイントは?

 制作側は、役者さんの個性が分かっているので、あて書きというかキャラクターに即して書けるという利点があります。脚本にいろいろ書き過ぎると、キャストの皆さんが「これは挑戦状だ」と受け取って、それ以上のことをやらないといけないのでは?と思われるので(笑)、脚本では笑いに走り過ぎないよう心がけています。

 キャストの皆さんとは、現場でよくディスカッションしながら作るのが「特捜9」なので、今はコロナ禍ではありますが、みんなマスクや対策をしっかりして議論しています。

■中村梅雀VS佐野史郎の演技合戦に注目

――今回、特捜班の班長・国木田役の中村梅雀さんと、特捜班の“壁”となる渡辺検事役・佐野史郎さんのお芝居に期待することは?

 お二人とも清潔感と気品があり、どこかアングラな雰囲気も漂っていて。保守的な若者に対して、少し破綻した悪い大人を演じてほしいなと思いました。梅雀さんは“にらみ”とか、形の美しいお芝居を見せてくださるので、そういうカッコよさも期待しています。佐野さんは、底知れぬ闇ですね。佐野さんは、セリフがなくても1人でじっとこちらを見ているだけで怖いですから(笑)。

 敵同士を演じますが、本当はものすごく仲がいいんですよ。お二人とも音楽に詳しくて、合間にはマニアックなミュージシャンの話をしたり。この間も、井ノ原さんに「バンドしない?」と誘っていました(笑)。

■記念写真のようなポスタービジュアルに込められた思い

――井ノ原さんを中心に、4年目を迎えた「特捜9」の強みを教えてください。

 サッカーで例えると、井ノ原さんがセンターフォワードで、そこにすべてのボールが集中する手堅いフォーメーションで戦っていたのが前シーズンまで。シーズン3の途中くらいから、その配置がこなれてきて、シーズン4では、どのメンバーもシュートを決められるような、型が自由になった気がします。それに、劇中での笑顔も増えている。シーズン1の頃から笑顔のシーンはありましたが、今回はさらに多いです。刑事ドラマは事件が絡むので、どうしても難しい表情が多くなりがちですが、「刑事たちは良いことをしているんだから、笑顔でもいいんじゃないか」と。笑顔の多い刑事ドラマに、より近付いてきています。

――「特捜9」になってから加わった鑑識課員・佐久間を演じる宮近海斗さん(Travis Japan/ジャニーズJr.)の魅力は?

 このドラマは個性派ぞろいなので、新人鑑識課員をキャスティングする際に“輝いている人”に演じてもらいたいと思いました。鑑識役はそんなにスポットライトを浴びることはないですが、しっかり存在が分かる個性が必要でした。以前、帝国劇場での舞台を観に行った時、Travis Japanのセンターとして出てきた宮近くんが、小柄だけどすごく目立っていたんです。彼には、思わず目が行ってしまう輝きがあって。本作では、スーパーダンサーとしての身のこなしを生かせる場所はないのですが、非常にナチュラルな役作りをしています。玄人好みですよね。職人らしいところがあるのかな。

――宮近さんは今年からポスタービジュアルにも登場して、「特捜9」に欠かせないメンバーになりましたね。

 最近は、佐久間が刑事課にいることが自然になってきました。これは、宮近くんが自分でそういう空気を作ったからなんですよ。昨年の放送から、新藤(山田裕貴)が佐久間を「さっくん」と呼んでいますが、それは現場で作られた設定で、脚本には書いていませんでした。キャストの皆さんの間で自然発生的な人間関係ができているからこそ、生まれたんですね。

 佐久間が刑事部屋に行く時は、部屋に入って特捜班メンバーたちがいる机までの7歩に注目していただきたいです。数々の舞台を踏んでいる彼が、華麗なステップを披露します(笑)。

――井ノ原さん演じる直樹は、刑事ものの主人公でありながらスーパーヒーローではない身近な存在で、そこも魅力の一つだと思います。

 直樹というキャラクターと井ノ原さん自身がリンクしているようなところが、視聴者の方が見て共感できるポイントになっているのではないでしょうか。劇中で頑張る直樹と、「特捜9」の主役を務める井ノ原さん、両方応援してあげたい気持ちになるというか。

 今回、ポスタービジュアルは登場人物が並んで記念撮影をしたような一枚写真にしました。キャラクターが育っていて、役者さんの身体と同一になっている強みをしっかり生かしたいという狙いです。昨今は動画配信も登場していますが、同じ時間帯に全国の人が見られる地上波は、同時間性が最大の強みだと再認識しています。水曜9時に、また「特捜9」のメンバーに会えることが、毎週視聴していただく最大のきっかけになれたらと。ポスターは、彼らの人となりやキャラクターに興味を持ってもらえるよう打ち出しました。

 シーズン4を迎えて、事件を追う刑事らしい写真ではなくても「この人たちといえば『特捜9』ですよ」と示せる境地にたどり着いたということですね。

 

■テレビ朝日 ゼネラルプロデューサー 大川武宏(おおかわ・たけひろ)

97年テレビ朝日入社。「熟年離婚」、「ホリデイラブ」、テラサオリジナル「主夫メゾン」ほか、「名探偵・明智小五郎」、「おかしな刑事」などシリーズドラマを多く手掛ける。

 

【番組情報】

特捜9 season4

テレ朝系 毎週㊌後9時~9時54分

出演/井ノ原快彦、羽田美智子、津田寛治、吹越満、田口浩正、山田裕貴、宮近海斗(TravisJapan/ジャニーズJr.)、中越典子、原沙知絵、中村梅雀

Twitter @5drama9tokusou