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演出家・安島隆&構成作家・佐藤満春が明かす「さよなら たりないふたり」山里亮太(南海キャンディーズ)と若林正恭(オードリー)の舞台裏【インタビュー前編】

 先日、11月3日に「たりないふたり」の最新イベント「さよなら たりないふたり〜みなとみらいであいましょう〜」が開催された。山里亮太(南海キャンディーズ)と若林正恭(オードリー)による漫才やコントを、ライブイベントや番組として披露して来た。その最新イベントの模様が、12月30日(月)深夜1時59分に日本テレビで放送される。今回は演出家・安島隆と、構成作家として参加するどきどきキャンプ・佐藤満春が、その見どころを語ってくれた。今回は前編をお届けする。

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――11月3日に「さよなら たりないふたり〜みなとみらいであいましょう〜」が行われました。事前の打ち合わせ無しとのことですが、ライブをご覧になっていかがでしたか?

安島 本当に打ち合わせしていないどころか、2人が9ヶ月くらいあってないんですよ。昔はよく共演しているイメージがあったと思うんですけど、今はMCになってきているので、共演もあまりしていないんです。避けてるのかは分からないですけど(笑)、プライベートでも会うような関係じゃなくて。どうせ9ヶ月会ってないなら、このまま会わずにライブをやったらどうなるのか演出したいなと。それで、当日お客さんの前でネタを作って下さい、1時間2人で打ち合わせをして、それから漫才をやるというルールを作ったんです。そしたら若林くん、開始して5分くらいで全くネタの話もせずに漫才を始めちゃって(笑)。僕らも山ちゃんも、想定外でしたね。それでも普通のフリートークじゃなく、ちゃんと漫才になってるんですよ。こちらは打ち合わせを1時間して、2、30分くらい漫才をして、その後、漫才を振り返るトークをする予定だったので、舞台袖で佐藤さんが反省会のネタ用に、全部ホワイトボードに書き込んでたんですけど(笑)。

佐藤 (ホワイトボードを)両面使っても書ききれなくて、「もう1枚ないですか?」って(笑)。いや、面白いからずっと笑ってるんですけど、大変でした(笑)。

安島 しかも、若林くんが全然ホワイトボードに触れずに、結局30分くらい漫才をもう1本やり始めて。

佐藤 2人のファンとして(今回のイベントを)楽しみにしていたんですけど、安島さんが1回も打ち合わせしない形を取るって言った時点で「頭おかしいのかな」って(笑)。会おうと思ったら、夜中無理やり会えたと思うんです。でも安島さんは「2人とも本当に天才だし、どうにかなるだろう」って言うんだから、安島さんには何かが見えていていたのかなって。

安島 でも、結論としては、何も見えてなかった(笑)。

佐藤 (笑)打ち合わせしないって決断するのは、演出家としての勇気だと思います。変に1、2時間打ち合わせしてるより、面白いものになったと思うんですよ。「たりないふたり」って山里さんと若林くんという絶妙な距離感の2人がいて、そこを安島さんがちゃんと間を取って出来上がる感じがあって、それが大いにハマった日でしたね。もしかしたら、何も起こらずにライブが終わってたかもしれないですからね。

安島 芸人さんとしては怖いと思うんです。だから、すごい決断をしてくれたなって。2人ともすごい売れっ子だから、そんなギャンブルみたいなことをする必要ないのに、わざわざ大博打に乗ってくれるって、2人も頭おかしいなって思いましたね(笑)。

佐藤 そうですね(笑)、みんな勇気がありますね。40過ぎた大人たちが、こぞって怖いことを踏み込んでやったっていうことが、良かったんですかね(笑)。

――久々のイベントで、かなり長尺の漫才になったわけですが、終演後、お客さんの反響はいかがでしたか?

安島 お客さんからは、いい反響しかないです。面白かったとSNSでつぶやいてくれて。笑い疲れのような感じもなく、ずっとウケてるって何だろう。

佐藤 新しいファンの方もいるだろうし、テレビで放送する以前から「たりないふたり」のファンでいてくれる方もたくさんいらっしゃって。山里さんや若林くんが年齢を重ねてるのと同じように、来てくださったお客さんも歳を重ね、環境が変わった方もたくさんいらっしゃると思うんです。そんな自分が、今の「たりないふたり」を見るというドラマもあったのかなって。新たに知って見てくださった方は、新たな出会いとして面白く見てくださったと思うんですけど、より昔の2人を知ってる人が見たら、面白さのより一歩先にある何かを感じられたのかもしれないですね。

安島 2009年からやってるので、ちょうど10年なんです。その間に山ちゃんが、あんなすごい方と結婚して……すごくドキュメント性が高い漫才なんですね。

佐藤 そうですね。

安島 現実の2人と全く違う設定のコント的な漫才じゃなくて、ずっとお互いのこと削り合うような、自分を曝け出すような漫才だから、ずっと聞いちゃうんだと思うんですよね。

佐藤 今の2人がどんな話をするのか、興味がありますよね。普段、連絡取りあったりしてないのが、良かった感じはしました。

――そんなライブを終えて、お2人の様子はいかがでしたか?

佐藤 ライブ後、若林くんは、すぐに帰ったんです(笑)。

安島 打ち上げに行かずにね。

佐藤 その時に言ってたのが、「舞台上でもう全部言っちゃったからな」って。「打ち上げで今更話すこともないし、舞台上で全部言ったし聞いたから」って感じでしたね。

安島 山ちゃんは当然飲みに行くと思ってるので、「こりゃまずい」と思ったから僕が「山ちゃん、飲みに行こうか」って(笑)。山ちゃんは、とにかくご機嫌でした。ずっとエゴサーチしてました(笑)。酒が進んでましたし、充実感があったと思います。特に2本目の漫才で、ドキュメントな部分があるんですよ。それは、山ちゃんの芸人としての部分だけじゃなく、一人の男性としての生きざまを吐露する部分があるんです。それを吐露できたというところで、山ちゃんは充実感があるみたいですね。僕もその吐露の部分は、何回見ても泣いちゃうんです(笑)。

佐藤 ちょうど僕が安島さんと逆の舞台袖にいて、山里さん越しに安島さんが泣いてるのが見えて、僕もそれを見て泣いちゃいました(笑)。

安島 お客さんからも、「泣けた」とか「感動した」とかいう反響がありましたね。

――そんな中で、若林さんは?

安島 これは、ぜひ放送を見てほしいんです。

佐藤 (笑)

安島 僕も横から見てるので、若林くんの顔は山ちゃんに隠れて見えないんです。後で映像をみて「おぉ」って思ったので、ぜひ放送を見てください。テレビでの山ちゃんしか知らない人でも「山里ってこう思ってるんだ」っていうのが、すっと入ってくるようなお話だと思います。でも、若林さんがすごいなと思うのは、それを、あくまで漫才のなかでやってるんです。普通に「山ちゃん、本当に思ってるコト言えよ」って言っていうんじゃないんです。フリートークじゃなく、あくまで漫才の中で山ちゃんがそれを吐露するのが自然なように追い込んでいくんです。それを彼が、どれだけ意図してやっていたかはわからないですけど。

(後編へ続く)

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【番組情報】
Hulu傑作SP「さよなら たりないふたり」
日テレ 12月30日(月)深夜1時59分〜2時59分
※放送後、Huluで3時間の完全版が公開

「さよなら たりないふたり」グッズが、12月30日午前10時から期間限定で通販開始
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